最近、沖縄県でのイベント民泊についての発表が頻繁だ。沖縄県沖縄市の観光物産振興協会は、来場者数が毎年30万人規模に達する沖縄全島エイサーまつり(9月15〜17日)に合わせて、開催期間中の宿泊施設不足を改善するための取り組みとして、イベント民泊を実施することを決めた。沖縄でのイベント民泊の実施は3例目で、かつ最大規模の試みになる。
民泊の受け入れ先(ホスト側)は、一戸建ての家主同居型(ホームステイ型)に限って募集する。価格は1泊4,000円を軸に調整され、民泊希望者(ゲスト側)の募集は、百戦錬磨(宮城県)が運営する民泊仲介サイト「STAY JAPAN」を通じて行われる。
受け入れ時期は9月14〜19日(最終日はチェックアウトのみ)。9月16〜17日には沖縄市から近い宜野湾市で、歌手の安室奈美恵さんのデビュー25周年野外ライブがあることもあり、沖縄タイムス市の報道などによると、既に主要ホテルは満室状態になりつつあるという。
沖縄市:イベント民泊の実施に伴う自宅提供者募集について
(↑沖縄市が市民向けに公開している募集要項を確認することができます)
沖縄県ではこれまで、今年2月に広島東洋カープのセ・リーグ優勝パレード(沖縄市)、今月の糸満ふるさと祭り(糸満市)でそれぞれイベント民泊を実施。ちなみに広島カープの優勝パレードでは、イベント民泊の利用者は0人(登録施設数3件、観光客数約1万5000人)という結果だった。
【速報レポート】パソナ「阿波踊りイベント民泊」のゲスト募集を開始
(↑ほかのイベント民泊の実績なども掲載されています)
イベント民泊はこれまで、百戦錬磨が東北の夏祭りなどで、Airbnbなどと提携しているパソナ(東京都)が徳島阿波おどりなどでイベント民泊業務を受託する形で進めるなど、民間も関わって実施されるケースも増えている。宿泊施設不足の緩和ほか、地元の一軒家などにホームステイ型などで宿泊することで、イベント以外の付加価値を民泊ゲストに提供できるツールとなることも、ポイントの一つとして挙げられている。
来年施行される住宅宿泊事業法(民泊新法)や特区民泊、旅館業法における簡易宿所営業などとは異なり、行政がどのイベントで実施期間を含めてあらかじめ決めることで、自治体による条例制定や国への届け出がなくても民泊受け入れ(年1回まで)が可能なことも特徴の一つ。