徳島市で今月12〜15日にかけて開催された「徳島阿波おどり」。市は毎年頭を悩ます期間中の宿泊場所不足を解消するために「イベント民泊」を初めて実施した。
その今回取り組んだイベント民泊の結果について、徳島市がこのほど発表した。市内26物件に延べ275人が宿泊し、そのうち外国人は44人だという。実数では122人だった。ゲスト受け入れのために登録された物件は31件だった。
この数字は、これまでほかの行事などで開催されたイベント民泊に比べると、その規模が最も大きくなったといえる。徳島市の遠藤彰良市長は記者会見で「(イベント民泊の)取り組みは成功したと考えている」と手応えを口にしている。
例えば、青森県五所川原市で行われたイベント民泊では、民泊物件の登録数が6件で利用者が22人、青森県弘前市で開かれた弘前さくらまつりでは登録物件数が5件で利用者が3人、沖縄県で開催された広島カープ優勝パレードでは登録数が3件で利用者が0人だった。
イベント名 | 登録 | 利用 |
徳島市阿波おどり(徳島) | 31件 | 275人 |
五所川原立佞武多(青森) | 6件 | 22人 |
弘前さくらまつり(青森) | 5件 | 3人 |
広島Cパレード(沖縄) | 3件 | 0人 |
今回、徳島阿波おどりの「イベント民泊実施業務」を徳島市から受託したのが人材サービス大手のパソナ(東京都)だ。パソナは今月上旬にゲスト募集開始に合わせた発表会を開いて、取り組みの詳しい内容についても話していた。
例えば、民泊ゲストを受け入れる自宅提供者を募るため、同社の社員が徳島市内に2カ月ほど滞在して、地域に溶け込んで広報活動を行うなどの取り組みもしながら、地元のテレビ局やラジオなどでもPRをしていったという。
イベント民泊を利用する自治体が徐々に増える兆しを見せている中、今回のパソナの取り組みは一つの良いヒントになると言えそうだ。