住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行令案と施行規則案が21日、公表された。民泊新法に基づき、マンションやアパートの一室(区分所有)を民泊物件として届け出する場合、マンション管理規約の添付を民泊事業者に義務づけ、自治体側が民泊が禁止されていないか確認できるようにする。また、自治体の制限条例について基準を設定。騒音などによる生活環境の防止を目的に、区域ごとに禁止期間を指定することと明記した。
施行令と施行規則案はパブリックコメントを経て来月中に閣議決定・公布される見込み。その後、来年6月とみられる民泊新法と同時施行される。
民泊新法に基づき届け出をする場合には、①届出住宅の規模など②(管理業務を委託する場合)住宅宿泊管理業者の商号・名称など③住宅が賃借物件である場合の転貸の承諾の旨④住宅が区分所有建物である場合には規約で住宅宿泊事業が禁止されていない旨—を記載する必要があるとしている。
【届出書の記載事項】
・届出住宅の規模等
・住宅宿泊管理業務を委託する場合には、住宅宿泊管理業者の商号、名称等
・住宅が賃借物件である場合の転貸の承諾の旨
・住宅が区分所有建物である場合には規約で住宅宿泊事業が禁止されていない旨
また届出書に添付する書類として、住宅の図面や登記事項証明書を挙げ、届け出をする住宅がマンションの一室など区分所有建物である場合には、マンション管理規約の写しが必要とした。
【届出書に添付する書類】
・住宅の図面、登記事項証明書
・住宅が賃借物件である場合の転貸の承諾書
・住宅が区分所有建物である場合には規約の写し
民泊を実施する住宅の設備としては「台所」「浴室」「便所」「洗面設備」の4つを挙げている。また、民泊新法で規定される180日ルールの日数算定については、毎年4月1日正午から翌年4月1日正午までの期間において人を宿泊させた日数とし、正午から翌日の正午までの期間を1日とするとしている。
民泊事業者に作成・管理が義務づけられる宿泊者名簿については、作成の日から3年間保存する必要があるとし、名簿は届出住宅などに備え付けることとしている。 名簿には、宿泊者の氏名と住所、職業、宿泊日のほか、宿泊者が外国人のときは、国籍とパスポート番号を記載することと明記している。
また宿泊者の衛生確保のために居室の床面積は宿泊者1人当たり3.3㎡以上を確保し、定期的な清掃や換気を行うことのほか、安全確保のために非常用照明器具の設置や避難経路の表示を義務づける内容。また、外国人ゲストの快適性と利便性を確保するために、外国語での届出住宅の設備についての案内を作成・提示することしている。