旅館業法改正、再び先送りも 「ヤミ民泊」への罰則強化が柱 臨時国会が冒頭解散、審議時間窮屈に

安倍晋三首相は28日、臨時国会冒頭で衆議院を解散させた。これにより、衆院選実施後の法案審議期間は、長くても11月下旬から会期末とされる12月上旬までの3週間程度に限定される見通し。違法民泊などへの罰金上限額を3万円から100万円に引き上げる「旅館業法の一部を改正する法律案」の成立は、来年に持ち越される公算が大きくなりつつある。

政府は来年度予算の編成も控えていることから、臨時国会の会期を12月上旬までとしている。衆院選実施により法案審議の日程が窮屈となるため、アベノミクス加速に向けた安倍政権が目玉法案と位置付けていた「働き方改革関連法案」や、「統合型リゾート(IR)実施法案」は既に先送りがほぼ確定的となっている。

政府は、全国的に民泊を解禁する「住宅宿泊事業法(民泊新法)」とヤミ民泊への罰則強化を含む「旅館業法の一部を改正する法律案」を両輪で進めてきた。両法案ともに今年の通常国会に提出され、民泊新法は今年6月に成立したが、旅館業法の一部を改正する法律案は、十分な審議時間が確保できなかったことから成立が持ち越しとなっていた。

旅館業法の一部を改正する法律案では、「違法な民泊サービスの広がり等を踏まえた無許可営業者等に対する規制の強化」(厚生労働省)が柱。違法民泊への罰金上限額を3万円から100万円に、そのほかの旅館業法違反に対する罰金の上限額を2万円から50万円に引き上げ、無許可営業者に対する立入検査などの権限規定の措置も含んでいる。

旅館業法改正は見送り 違法民泊への「罰則強化」持ち越し 審議時間なく国会閉幕へ