【全文】民泊条例について、自民党・秋田議員が東京都議会で代表質問 産業局長「地域の実情に応じた対応策を検討中」

今月26日に開かれた東京都議会の第3回定例会で、自由民主党の秋田一郎議員(51)=都議4期=が民泊についての代表質問を行った。秋田議員は、地域住民の生活の安全を守るという観点などから民泊条例を含む都の取り組みについて質問した。

秋田議員は、住宅宿泊事業法(民泊新法)について「観光産業の視点だけではなく、地域住民の生活の安全を守るために、事業を実施する地域と期間の制限なども組み込めるようになっています」と説明した上で、「確実な対応を進めていくためには、区市町村が力を発揮すべきであり、都のサポートも必要」と指摘。その上で、今後の東京都の民泊への対応について質問した。

これに対し、東京都産業労働局の藤田裕司局長が回答。「都は、本年六月の法の成立を受け、直ちに観光、衛生、消防、環境などの関係部署から成る全庁横断的な体制を構築し、住民生活に最も身近な区市町村と住環境の維持や旅行者の安全確保等について、地域の実情に応じた対応策を検討しております」と説明した上で、「区市町村との協議を重ねながら、住宅宿泊事業の適正な実施に向けて取り組んでまいります」と語った。

質問:自由民主党の秋田一郎議員

訪都外国人旅行者が急増し、民泊が注目を集めています。民泊による利便性の向上は否定しませんが、ごみ出しや騒音をめぐるトラブルが頻発している状況もあり、行政としても適切な対応を求められています。

国でも法律に基づく新たなルールを義務づけるため、六月に住宅宿泊事業法をつくり、都道府県で具体的な対策を行うことを可能としました。この法律では、観光産業の視点だけではなく、地域住民の生活の安全を守るために、事業を実施する地域と期間の制限なども組み込めるようになっています。確実な対応を進めていくためには、区市町村が力を発揮すべきであり、都のサポートも必要です。

法では都の事務に位置づけられていますが、協議によっては基礎的自治体に権限移譲が可能となっています。この仕組みにより、地域の実態に精通した区や市が取り組みを行う場合には、都として後押しをしていくことも重要です。

今後、民泊への対応をどのようにされるのか、都の考え方を伺います。

回答:産業労働局の藤田裕司局長

住宅宿泊事業法への対応についてでございますが、住宅宿泊事業は、旅行者の多様なニーズに応えることが期待される一方で、施設の衛生面や防火対策、ごみ出しや騒音等による住民生活への影響など、多岐にわたる課題が懸念されますことから、適正な実施を確保する仕組みづくりが必要となります。

このため都は、本年六月の法の成立を受け、直ちに観光、衛生、消防、環境などの関係部署から成る全庁横断的な体制を構築し、住民生活に最も身近な区市町村と住環境の維持や旅行者の安全確保等について、地域の実情に応じた対応策を検討しております。

今後は、十月中にも公布が予定されております政省令や、その後に公表される国のガイドラインなどの内容を踏まえて、届け出や指導監督の体制づくりを進めてまいります。

引き続き、区市町村との協議を重ねながら、住宅宿泊事業の適正な実施に向けて取り組んでまいります。