【空き家/古民家×ネットワーク】空き家/古民家の合法民泊活用!!これからの宿泊施設を考える!!
日時:10月27日 19時30分〜22時30分
場所:ニューコワーキング新橋
主催:AKIYA STOCK
昨今、増加の一途を辿り社会問題として考えられている空き家問題。
今回は、その空き家活用の可能性の一つとして民泊運営についてイベントが開催された。
特に旅館業法の簡易宿所として空き家や古民家を改装して運営していくにあたってのノウハウが公開された。
当イベントは40人の定員に対してそれを上回る数の来場者で会場は超満員であったことから大注目の分野であることがうかがえる。
セミナー講師:プラスワン 代表取締役 佐藤 健太
・簡易宿所で儲けるために知っておくべき3つのポイント
空き家活用で旅館業の簡易宿所を取得し、民泊運営を行うにあたって失敗しないためのポイントを次のように述べた。
最初に、今から自分が参入しようとしている市場環境についてしっかり分析・理解すること。
その次に明確なコンセプトを決める。例えば、どのような顧客にどのように使って欲しいかなどまで具体的に落とし込む。
そして、自分のすでに所有しているリソース、または周囲の友人などに協力を得られそうな武器がないかを考え直す。
・訪日外国人の動向と展望
直近3年の日本の外国人訪問客数の推移は、2014年は1341万人で世界22位→2015年は1973万人で世界16位→2016年は2403万人で世界16位というように大幅急上昇を遂げており、日本政府の目標は2020年に4000万人、2030年には6000万人という数字を目指している。
訪日外国人客数が急激に増えているが世界での順位は変わっていないということから、日本だけが観光事業の成長を迎えているというわけではなく世界全体の流れであるということがわかる。
その背景としては、これまで旅行ができなかった国や所得層の人々が経済成長により旅行できるようになったことが考えられる。つまり、旅行できる人口そのものが世界的に増えているので、昨今の日本のインバウンドの増加に関しても一時的な需要というわけではないことが言える。
・民泊市場の未来
今後の民泊市場では儲かる物件と儲からない物件の二極化が、より進んでいくことが考えれる。
また、非合法物件については撤退を余儀なくされているという現状であることから、参入する際は慎重に地域選び等をした上で参入しないと撤退に追い込まれるリスクがあることを注意しなければならない。
今後の民泊市場の大きな流れとしては、来年6月の民泊新法施行までは無許可の民泊(特にオーナー許可物件)は減らないが、民泊新法施行後は撤退が加速する。
・180日の日数制限が自治体の裁量でそれ以下(90日、60日など)になる可能性がある
・物件の安全面に関するの設備レベルが住宅ではなく、簡易宿所程度の基準が求められた場合に多くのコストがかかるかもしれない
・分譲マンションや住宅街などでの運営は管理組合、近隣住民の同意が必要である
以上のような理由から既存の民泊運営者の撤退が加速すると予想しているが、その一方で大手デベロッパーが民泊専用マンションや既存物件の民泊転用が増えるであろう。
特に、既存物件の簡易宿所や旅館業転用物件が急増し運営場所も都市部だけでなく地方へ流れが加速することが予想される。
・簡易宿所物件の検索から運営開始まで
簡易宿所を運営するにあたって物件の検索方法としては、まずはあらゆるツールを用いて物件情報を取得する。具体的には、空き家マッチングサイト(自治体、団体)、ジモティなどの個人の募集サイト、カリアゲJAPANなどを実際に利用して検索する。
物件選択においてチェックすべきポイントは4つある。
①その立地は需要があるか(近隣稼働率、収益性)
②予算は融資。助成金を含めてどの程度確保できるか(物件取得費用、改修費用含めて)
③その物件は旅館業法を取得できる条件か
④大家さん、近隣住民の理解は得られるか
①について、シュミレーション組む際の考え方としては1ベッドあたりの単価を元に収支を組む。
その際、単価算出は運営するエリアですでに運営している宿泊施設の単価を参考にし、その単価と物件の家賃で収支がとれるにはベッド数がいくつ必要なのかというように考える。
③については、物件選定を行う際に必ず事前に確認しておかなければいけない事項が数点ある。
それは、その物件が属する用途地域である。簡易宿所を営むにあたって不適な用途地域であった場合は物件取得後に用途変更などの手間が発生する。
また、文教地区の確認も必ず行わなければならない。文教地区というのは教育施設が多く集まっている地域の呼称であり、そのエリアでは旅館業を営むことが禁止されている。
他にも、検査済証の有無(違法建築でないか、増築されていないか等)、物件に接している公道の道幅が4メートル以上必要である、というようなことを事前に必ず確認する必要がある。
セミナー講師である佐藤さんが実際に空き家を取得して簡易宿所として活用した事例をBefore/Afterの写真を交えて紹介が行われた。
その物件については、自らの手でDIYをして改装を行ったことで、通常業者に委託する費用の4分の1ほどの費用で改装することに成功している。
続いて、office OTA.代表 建築士 大田聡さんより建築関係の法規について解説が行われた。
以下、主催者office OTA.代表 建築士 大田聡さんのコメント
「今回も満員御礼となり、とても嬉しく思います。
あまりにキャンセル待ちの連絡が多かったので、第2回を行う運びになりました。
今回のテーマは空き家/古民家×︎民泊です。
行政が新法を整備するということは、裏を返せばそれほどまで一般化したと言えます。
増えた民泊の中で勝ち抜いていく切り口として、今回の古民家というテーマが参考になれば幸いです。」
https://www.facebook.com/events/1237500656354643/?ti=icl