10月26日に開催された民泊カンファレンスVol.1″民泊運用後、民泊物件をどう運用していくのか”。コンテナハウス、スマートロック、自動チェックイン、運営代行などさまざまな会社に登壇していただいたが、その中で民泊新法後に必要となる民泊向け保険や補償サービスの中から、会員向けに民泊ホスト向け補償サービスを提供する一般社団法人民泊民宿協会の後藤 雄一郎理事の講演内容をレポートしたい。
民泊ホスト向け補償サービスについての講演
民泊民宿協会は、民泊事業のイメージアップ、健全化、普及拡大に貢献することを目的として、平成28年3月に設立した一般社団法人です。民泊民宿協会としては、まずは、民泊ホスト、ゲスト、近隣住民、事業者のみなさんが安心できる「補償サービス」を軸に健全な民泊環境つくりに貢献することを目指しています。
現在、日本では民泊物件専用保険という商品はありません。あるのは、民泊物件も適用しますという保険商品です。民泊民宿協会の補償サービスは『民泊物件専門補償サービス』として、合法、非合法問わ
ず、全ての民泊物件で起こる損害賠償請求に対応、補償できことが特徴の商品です。
「保険」、「補償」と言いますが、
「何に備えるのか?何を補償してくれるのか?」を理解しておくことが重要です。
答えは、『賠償請求』に備えるです。
そして重要なのは『誰から?』賠償請求されるのかです。
火災?事故?
『賠償請求』に備える!ポイントは、誰から賠償請求されるか!?
ホストは少なくとも
1 民泊物件の所有者(大家さん)
2 ゲスト
3 民泊物件所在の近隣住民を含む第3者
から賠償請求される可能性に備えておく必要があります。
そして、賠償請求の『きっかけ』は
1.火災
2.ケガ・死亡
3.物損(第3者の所有物)
となることが多いと考えられます。
まず「火災」対策で知っておきたいのが、一般的に「火災保険」といわれている保険には2種類あるという事実です。主に、物件の所有者が加入する火災保険は「一般火災保険」とよばれており、原則、理由の如何を問わず、保険適用となります。ただし、気を付けておきたいのが、一般火災保険は基本、全焼、半焼に備えるものでボヤ程度の火災だった場合、損害をもちだしなく修繕できることはほとんどありません。
もう一つは、賃貸人が加入する火災保険は「賠償責任保険」とよばれていて 原則、理由(条件)によって補償対象・範囲が異なります。特に賃貸物件での火災による損害補償は、特定被保険者(賃貸人)が起こした事故に限られます。
次に、ケガ・死亡・物損に備える保険は「賠償責任保険」です。こちらも、原則、理由(条件)によって補償対象、範囲が異なります。まとめとしまして、一般の賠償責任保険は、不特定多数の利用する民泊物件では補償されません。現在運営している民泊物件で加入している保険が、賠償責任保険なのか?不特定多数のゲストによる出火でも補償対応してもらえるのか?をぜひ確認しておくことをお勧めします。
また、物件所有者は不特定多数のゲストが起こす可能性のあるちょっとしたボヤによる火災事故への対策としても「一般火災保険」に加えて「賠償責任保険」に加入することを勧めます。
民泊物件賠償請求対応できる商品は3つ
民泊物件賠償請求対応できる商品は以下の3つです。
1.『事業用保険』:「簡易宿泊所用途物件」、「特区申請許可物件」であれば加入できる可能性が高い商品です。広さ、構造、築年数、地域によって見積もりの取得が必要となるケースが多いようです。
2.『民泊対応保険』:「複数種類の保険」を併せて提案される、もっとも目にする機会が多い保険商品です。こちらも、広さ、構造、築年数、地域によって見積もりの取得が必要となるケースが多いようです。
3.『民泊物件専門補償サービス』:民泊民宿協会の商品で、見積もりなし、物件諸条件なし、一律料金による補償サービスです。
民泊関連事業者も賠償請求リスクに備える必要があります。少なくとも
1 ホスト
2 民泊物件所有者(大家さん)
3 ゲスト
4 民泊物件所在の近隣住民を含む第3者
から賠償請求される可能性に備えておくことをお勧めします。
民泊関連事業者として責任をもってホストと対応することが一番の解決策となります。少なくとも自社で関わるホストに対して、民泊物件で適用されるいずれかの賠償責任保険の加入をうながすことをお勧めします。保険取扱い事業者となる場合、『保険業法違反』とならないようにだけ注意が必要です。賠償請求が補償されないことを説明しなかったり、賠償請求が補償されないことを知りながら、民泊運営ホストに一般賠償責任保険の加入を勧めたり、契約を締結すると罰則を受けたり、最悪はホストと一緒に賠償責任を負うこととなる可能性があります。
係争中案件事例の紹介
現在、物件大家さんに、「ホスト」「不動産仲介業者」、「民泊運用代行業者」3者が訴えられる係争案件が発生しています。事の発端は、ゲストによる火災事故の発生で、大家から賠償請求されたホストが一般火災保険しか加入しておらず、保険適用されなかったことによります。結果、大家さんは、ホストに物件を仲介した「不動産仲介業者」、ホストから運営代行をうけている「運営代行業者」を民法上の信義則違反として、「ホスト」とともに訴え、係争中です。
住宅宿泊事業法でも第29条で、事業者は信義を旨とし誠実に業務を行わなければならないと規定されています。
民泊民宿協会の「民泊物件補償サービス」とは
現代海上火災保険(株)を引き受け会社とする民泊民宿協会の会員向け福利厚生サービスメニューのひとつとなる補償サービスとなります。厳密には「保険」ではありません。「補償サービス」は「保険」を同じ補償の厚さとなりますが、保険業法の規制適用をうけません。
手続きが超簡易です。定型申込書、本人自署、契約印、面倒な手続きが省けます。
https://minpaku-kyoukai.com/application/
こちらの申込フォームの入力項目だけで入会手続きが終了します。入会と同時に補償サービスが適用となります。
会員の種類
一般会員:ホスト
賛助会員:民泊関連事業者
運営代行業者・不動産業者・リスティングプラットフォームジ事業者
「民泊物件補償サービス」取扱い事業者を募集しています。手数料は民泊物件補償サービス取扱い1件につき6,000円~お支払いします。保険代理店資格は必要ありません。民泊関連事業者さまが賛助会入会するだけで取扱い店になります。
1.「単純取次」扱い
2.自社商品サービス名での「OEM商品取次」扱い
いずれかを選択することができます。
民泊物件専門補償サービスはこちら。