「わの家さ遊びにおんで!」「薪ストーブで温まりながらのんびりと」「里山の自然に囲まれて」
民泊予約サイト「STAY JAPAN」のウェブサイト。農業体験ができる民泊物件を検索すると、麦わら帽子を被った笑顔の老夫婦や炭をくべた囲炉裏などの写真とともに、農家の方々からの温かさを感じるメッセージがずらりと目に飛び込んできます。
いま、農村生活や里山暮らしを体験できる「農村民泊」が、各地で広がりつつあります。
地域の食文化や自然・農業体験のほか、ゆったりとした時間を過ごせることや、地域の人たちとの交流が人気で、家族連れや一人旅で利用する日本人のほか、外国人旅行者の利用を増えてきました。
いま、どうして「農家民泊」が人気なのでしょうか?
その理由を、いま日本各地で人気の「農家民泊」の宿を紹介しながら探っていくとともに、なぜ「農家民泊」を提供するホストも増えているのか、解説していきたいと思います。
農家民泊を運営するには?
農家民泊を運営するには、前提として旅館業法における「簡易宿所営業」の許可が必要になってきます。
一方で農家での民泊を目的とする場合における許可認定は、2003年の旅館業法の改正により、床面積の合計が33㎡未満であっても諸条件を満たしていれば許可対象となってくるなど、規制は緩和傾向にあります。
また昨年2016年4月の旅館業法の改正では、農林漁業者以外が自宅の一部を活用して農家民宿をおこなう場合においても、この規制緩和を適用することとなり、より門戸は広がったといえそうです。
農家民泊では一般的にこの旅館業法の営業許可を取得したあとに、農林水産省の「農林漁業体験民宿」の認定手続きを受け、晴れて「農家民泊」を運営できるようになります。
「農家民泊」と「農家民宿」は少し紛らわしいですが、制度上の言葉が「農家民宿」、農家に無料で誰かを泊めることも含めて広義で使うのが「農家民泊」と覚えておくと良いでしょう。
では具体的な「農林漁業体験民宿」の認定手続きを見ていきましょう。
全体手続き①市町村などの相談窓口へ相談
ここで手続き全体の流れと体験内容、あっせん先などについて相談します。
全体手続き②旅館業法申請の事前確認
旅館業法や食品衛生法に関する手続き申請の事前確認を行います。
全体手続き③建築基準法と消防法の手続き
建築基準法に関する手続きを行い、農林漁業体験民宿運営における「建築物の検査済証」を受け取ります。また、消防法に関する手続きも進め、消防法令適合通知書を受け取ります。
全体手続き④旅館業営業と飲食店営業の許可申請
その後、旅館業法の営業許可と食事を提供する「飲食店」としての営業許可を申請します。
全体手続き⑤開業
上記の①〜④が全て順調に進み、晴れて「農林漁業体験民宿」の認定を受け、「農家民泊」を開業することができます。
農家民泊・農家民宿開業については、新潟県のウェブサイトで、手順や方法、特に注意すべき内容などについて、非常に分かりやすく説明されていますので、ぜひ参考にしてみてください。
【農業民宿開業パンフレット(2016年9月版)】
http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/970/540/panf%20h2809.pdf