ミサワホームが民泊事業参入 京都・嵐山に簡易宿所施設 賃貸マンションを自社改修 今月から運営開始

ミサワホームグループは、京都市左京区の賃貸マンション(築32年)を大規模改修し、外国人宿泊客の長期滞在需要に対応する宿泊施設「リバーサイド嵐山」(総客室数23室)を完成させた。今月から旅館業法における「簡易宿所営業」の枠組みで運営を開始する。

従来46室あったワンルームを23室の客室に一新し、ゆとりのある広さにした。エレベーターの新設や段差解消工事、近隣住民への配慮として目隠しフェンス、騒音防止用として床仕上げ材の設置なども施した。 新たにフロントも設置し、英語、中国語、韓国語に対応できるフロントスタッフが24時間常駐して宿泊客の対応に当たる。

「リバーサイド嵐山」の運営開始は、賃貸マンションを保有する土地オーナーから建物の有効活用についての同社が相談を受けたことがきっかけ。ミサワホームグループのミサワホーム近畿が大規模改修を行い、ミサワホーム不動産が一括借上して運営を手がける。

宿泊施設周辺の嵐山エリアなどには有名な観光名所が複数あり、日本人や外国人宿泊客も含めた旺盛な観光需要を見込む。東京オリンピック・パラリンピックで懸念されている宿泊客室数不足の解消にも貢献したい考え。

同社は「観光スタイルの多様化に伴い、ホテルや旅館で食事の提供を受ける代わりに、価格を抑えて長期滞在を希望する外国人宿泊客は増加傾向にある」と指摘。その上で、「その要望に対応する宿泊施設として簡易宿所や民泊などのニーズは、今後、一層高まると想定される」としている。