最近、知り合いの方からとある部屋の民泊予約管理業務を引き継ぐことになりました。
その際に「ちなみに、どのようなハウスマニュアルを使っていたのですが?参考までに見せていただけますか?」とお願いしたら、そのホストさんは使っていた前の業者さんのハウスマニュアル(PDF)を送ってくださいました。
しかし、お世辞にもこれが使えるハウスマニュアルではではないです。
「よくこんなもの使っていたなぁ…」
というようなものでして、とてもじゃないですがこれでは予約済みのお客さんから私に問い合わせが殺到するのは目に見えてます。そこで、自分で完全に作り直しました。
だって、だってですよ。最初のページに
「ハウスルール」が長々とデカデカと書いてあるんですもの。
誰が読みます、そんなもの?
最初から
「〜禁止」
「〜は○時から×時まで」
「喫煙はベランダで」etc…..
で埋め尽くされているトップページを。
「あー読むのやめた!!」「めんどくせぇ」という気持ちにゲストはなりかねません。英語版のハウスマニュアルならばフランス人やスペイン人(広島は中・韓国人が少なくて欧米系が圧倒的に多い)等の英語を母国語としない人はもうその段階で「もういいや」という感じになります。
で、そのあとにインターネットのパスワードや家電製品の使い方、さらには富士山の登り方の諸注意。東京の代行業者さんが作ったものらしいけど、広島からわざわざ富士山に登りにいく人はいませんて(笑)、省エネ云々の話。これは水道光熱費の削減を狙っているな(笑)
読み進めると全16ページのハウスマニュアルのうち半分弱の6ページ目になってやっと、部屋の住所→鍵の入手方法→公共交通機関でのアプローチの仕方が登場します。
普通、ゲストが未知の街の部屋に赴く時、最大の関心事はハウスルールでもWiFiのパスワードでも家電製品の使い方でも近隣の有名観光地の行き方でもありません。
まずは、物件の住所です。「どこに泊まる部屋があるのか?」がゲストの最大、最優先の関心事でしょう。
そして次にゲストが必要とするものは道順です。
どんな公共交通機関を使えばいいのか?どこで降りるのか?最寄り駅は?
地下鉄、JR、市電(広島では市電が一番外国人観光客にわかりやすい)、バスの乗り方、それらの運賃が先払いなのか後払いなのか等々。
またタクシーを使う場合も想定して、住所は英語のみならず日本語でも大きく書いて年配のタクシードライバーでも簡単に読めるようにすると共に「最大1500円くらい」と予算の目途を書いておく必要があります。
その次に鍵の入手方法でしょう。
最後にハウスルールやホストの緊急連絡先という記述です。
つまり、
住所→道順→鍵の入手方法→ハウスルール&緊急連絡先→その他
というゲストの「最大の関心事」から「時系列」で書いていけば、非常に整理されてゲストの頭に入りやすくなります。
ついついホストとしては「アレはダメ」「コレはダメ」を先に書いてしまいがちです。その心理はよくわかります。
しかし、ゲストの最大の関心事はどうですか?何を一番最初に知りたいですか?ホストの皆さんがゲストとして未知の外国の街で部屋に赴く際の心理状態はどうですか?
この視点からハウスマニュアルを時系列から見て整理してみてください。これだけでもゲストにとってみればハウスマニュアルを読む労力が軽減されます。
がんばりましょう!