【第1回】『北海道民泊、訪れてよし住んでよし』北海道民泊観光協会 代表理事 南邦彦さん

私は現在、北海道内の民泊事業(コミュニティビジネス)が地域づくりへ貢献する方法の模索、また地域住民自らが主体となり、 役割分担を行いながら道内の問題・課題の解決、そして民泊事業の持続可能な取組を進める体制づくり支援し、自らも実践中です。

「民泊」とは、旅行者が宿泊先として、個人の自宅や別荘、マンションの空き室などに宿泊することです。 「民泊」は、北海道内においてもインターネットを介して、空き室を短期間貸したい人と旅行者をマッチングするサービスの出現により、急激に広がっています。

2016年Airbnbを利用した訪日外国人の滞在10都市では東京・大阪・京都・福岡に続き、札幌が5番目になっております。 北海道内においても、有償で宿泊サービスを提供する場合には、民泊新法(住宅宿泊事業法)施行前の現在、旅館業法の許可が必要です。また地域によって条例の内容に違いがあり、同じ間取りの部屋・条件であっても申請する自治体によっては、許可が得られるケースとそうではないケースがあります。

全国のニュース等では無許可民泊が話題となっています。北海道道内においても騒音やゴミ出し方、時には除雪など近隣住民とのトラブルが発生し、地域の問題となっているケースがあります。しかし、私自身、閑散期・繁忙期で大きく変動はしますが、月に500~1000件程度の程度の民泊ゲストチェックイン、チェックアウトの内容を確認していますが、トラブルとなるケースは月に0~数件であり、全体の1%もありません。 トラブルをゼロにするよう民泊ホストや仲介サイト側も含めて、日々様々な努力をしており、そのノウハウはホスト仲間でシェアしております。

多くの訪日外国人が民泊を利用し(北海道内約1000件の民泊が現在あります)、地域の暮らしや文化、雰囲気を味わい、楽しんでいる民泊の実態とかけ離れた誤解や偏見、無知、無理解による伝言ゲームが拡散している現状があります。

本コラムを通して、北海道内の民泊現場の実情や実態をなるべくわかりやすく伝えていきます。

南邦彦(みなみ・くにひこ) /一般社団法人北海道民泊観光協会 代表理事
元保育士養成施設教科専任教員。2014年より障がい者雇用で民泊管理・民泊清掃事業をスタート。北大公共政策大学院卒。公共政策学士。