厚労省、旅館業の衛生等管理要領を改正 簡易宿所の客室・フロント設備要件を緩和 来年中にも追加改正も

厚生労働省はこのほど、旅館業における地方自治体への技術的な助言に相当する「衛生等管理要領」の改正について発表した。改正は12月15日付。

見直しは、政府の規制改革推進会議が昨年12月に決定した意見を踏まえたもの。今年12月10日の特別国会で成立した改正旅館業法と今後改正予定の旅館業法施行令によって実施される事項は、来年中にも再度改めて改正・発表される見込み。

今回の衛生等管理要領の改正では、民泊営業に適しているとされる簡易宿所営業の施設設備の基準についても、項目の削除・修正や新設があった。

客室の要件については主に次の項目が削除されている。

  • 客室の幅員は、2m以上を有することが望ましいこと
  • 1客室の床面積は、おおむね4.8㎡以上であること(7㎡以上が望ましいこと。)。ただし、宿泊者の数を10人未満として申請がなされた施設は除く
  • 寝台1台当たりの床面積は、3.0㎡以上の広さを有すること。ただし、階層式寝台にあっては1台(2層を1台に換算する。)当たりの床面積は、おおむね4.5㎡以上の広さを有すること。
  • 階層式寝台は、2層とし、その幅員は0.9m以上、長さ1.85m以上の広さを有すること(幅員1.0m、長さ2.1m以上が望ましいこと。)。
  • 階層式寝台は、他の場所からの光線をさけることができるようカーテン等を備え付けるなど適当な構造設備であること。
  • 階層式寝台をおく天井は、床面よりおおむね2.5m以上の高さを有すること。

また、玄関・玄関帳場・フロントに関する設備要件では、これまで「宿泊者の数を10人未満として申請がなされた施設」は一定の条件を満たせば設置を免除されるという規定について、「人数」についての記載を削除。つまり申請上の宿泊可能人数に関わらず、条件を満たせば設置が免除されることになった。これまでは条件とされてきた内容は…

  • 玄関帳場等に代替する機能を有する設備を設けることその他善良の風俗の保持を図るための措置が講じられていること。
  • 事故が発生したときその他の緊急時における迅速な対応のための体制が整備されていること。

の2条件だった。今回はその2つ目の条件に新たに文言が加わり…

  • 事故が発生したときその他の緊急時における迅速な対応のための体制が整備されていること。緊急時に対応できる体制については、宿泊客の緊急を要する状況に対し、その求めに応じて、通常おおむね10分程度で職員等が駆けつけることができる体制をとることが望ましいこと。

となった。宿泊者に対する緊急対応として「通常おおむね10分程度」で対応できる体制をとることが望ましいとされた。詳しい内容は下記のページから確認できるので参考にしてほしい。

旅館業における衛生等管理要領の改正について|厚生労働省