旅館業法における簡易宿所営業の許可取得がしやすい「農家民宿」について、厚生労働省はこれまで認めてこなかった「家主不在型」での運用も認める方針を固めていたことが分かった。1月中の閣議決定を経て、下旬に公布・施行する予定。
農家民宿は、農林漁業者や個人が農林漁業体験民宿業を営む施設のことを指す。
農家民宿は農家民泊(農泊)の推進や地方活性化につなげる理由もあり、客室面積基準の適用除外とされているほか、道路輸送法の特例措置として無料の送迎行為(無料白タク)が認められていたり、旅行業法の許可がなくても体験ツアーの販売ができたりするなど、規制緩和が進んできた。
厚生労働省はこれまで、農家などから自宅以外でも農泊の受け入れをしたいという要望を多く受けてきたことから、これまで「家主同居型(ホームステイ型)」に限ってきた農家民宿の枠組みを変更し、家主不在型でも認可したい考え。
同省は家主不在型での認可については「実質的に認めても差し支えない」と判断。具体的には、省令上「その居宅において営むもの」という文言から「その居宅において」という文言を削除する。
農家民宿の枠組みで簡易宿所の許可を得た場合、年間営業日数が上限180日と決められている住宅宿泊事業法(民泊新法)の枠組みと異なり、通年での営業が可能となっている。民泊仲介世界最大手AirbnbやHomeAway、日本の公認民泊サイト「STAY JAPAN」などでも旅館業法の枠組みで宿泊者の募集も行うことができる。