2017年12月に国会成立した改正旅館業法に伴い、新基準に合わせた旅館業法施行令・施行規則と、実施ガイドラインを定めた衛生等管理要領がこのほど、公布・発出された。旅館業法施行令・施行規則の施行は6月15日。
旅館業法の改正で統合された「旅館・ホテル営業」の枠組みについて、従来はホテル営業10室・旅館営業5室とされていた最低客室数の基準を廃止。このことにより、客室数では1室から登録対象となる。
またこの「旅館・ホテル営業」の枠組みにおいては、フロント(玄関帳場)の設置基準についても緩和。フロントの代替設備として、顔認証による本人確認機能を有したビデオカメラなどのICT設備を導入することも認められた。この場合、対面での受付は不要になる。
このICT設備については、①宿泊者の顔及び旅券が画像により鮮明に確認できること②当該画像が施設の近傍から発信されていることを確認できること—の2点が要件とされている。また鍵の受け渡しについては手渡しでなくても可能とされている。
ICT設備をフロントの代替として活用する場合、宿泊者の緊急を要する状況に対して10分以内程度で職員などが駆け付ける体制を整備することが、導入に必要な要件とされている。
そのほか、「洋室」の設備要件として挙げられていた「寝具は洋室であること」「出入口・窓に鍵をかけることができること」「客室と他の客室等との境が壁造りであること」の3点を撤廃した。
従来9㎡以上だったホテル洋式客室の最低床面積も緩和し、「旅館・ホテル営業」全体で最低床面積を一律「7㎡以上」と定めた。一方で、ベッドなどの「寝台」を客室に設置する場合は、1室9㎡以上が必要となる。
また、宿泊者名簿の保存期間を「3年間」と規定。記載事項としては、宿泊者の氏名・住所・職業のほか、日本国内に住所を有しない外国人の場合は、国籍・パスポート番号。宿泊者名簿は、旅館業施設か営業者事務所に備える必要がある。
【厚生労働省|旅館業法の改正について】
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188046.html
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