兵庫県の民泊条例、観光庁ガイドラインに真っ向対立 住居専用地域などで通年禁止 議会で可決 市村長の申し出で緩和可能

兵庫県議会で2日、民泊条例案が可決された。住居専用地域のほか教育施設などの周囲100メートル以内で民泊営業を通年禁止する内容で、年中制限することを「適切ではない」としている観光庁の住宅宿泊事業法(民泊新法)ガイドラインと真っ向対立する内容となった。

兵庫県の民泊条例(住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例)では、小・中・高等学校や幼稚園や認定こども園、保育所などの児童福祉施設、図書館などの社会教育施設の周囲100m以内のほか、住居専用地域や田園住居地域、景観地域での民泊を通年で禁止する。

観光庁が2017年12月に発表した民泊新法ガイドラインでは、「条例によって年間全ての期間において住宅宿泊事業の実施を一律に制限し、年中制限することや、都道府県等の全域を一体として一律に制限すること等は、本法の目的を逸脱するもの」とし、「適切ではない」としている。

兵庫県の民泊条例については、この観光庁の民泊新法ガイドラインの内容に対立するものとみられる。一方で、県内の市村長から制限の解除や緩和について申し出があった場合は、制限の解除や緩和をすることができることとしている。

兵庫県は2017年12月25日から2018年1月15日までの期間、県民向けにパブリックコメントを実施し、145人220件の意見が寄せられた。意見の中には住居専用地域で民泊新法の上限180日ルールを越えた規制に関して否定的なものもあったが、兵庫県は「静穏な住環境を守る上では平日も休日も関係ないことから、全ての期間不可としています」としている。

民泊条例は民泊新法が施行する2018年6月15日に同時施行される。

◯兵庫県の住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例案(概要)
◯兵庫県の住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例案(全文)
◯提出された意見等の概要とこれに対する考え方

【解説】民泊新法ガイドライン、必ず知っておきたい35の重要ポイント 管理業務再委託はOK? 受入拒否はNG? 非常用照明は必要? 対面確認は必須?

【全文テキスト化】民泊新法ガイドライン、観光庁が発表 約50,000文字60ページ、民泊新法の解釈と留意事項を説明