民泊仲介世界大手Airbnbはこのほど、「体験(トリップ)」サービスの展開をこれまでの東京・大阪から拡げ、提供地域を関東・関西の計9府県で本格スタートすることを明らかにした。文化や体験を楽しむ「コト消費」の市場でも、Airbnbの存在感が一層増すことが予想される。
従来の東京都・大阪府のほか、神奈川県、千葉県、埼玉県、京都府、奈良県、兵庫県、滋賀県の7県へ拡大。Airbnbは2016年から体験サービスの提供を開始しており、東京と大阪ではこれまでに500件近くの体験サービスが登録されている。
今回の日本国内でのサービス提供エリアの拡大は、Airbnbの世界的な体験サービスの提供エリア拡大施策の一環。Airbnbは2018年内に現在の60都市から1000都市以上に提供地域を拡大することを既に発表している。
Airbnbの2018年上半期の予約データに基づいた人気の都市ランキングによると、東京が1位、大阪が3位と上位にランクインしており、今回拡大を発表した京都府などを含む7府県での体験サービスにも人気が集まることが期待できそうだ。
Airbnbは今回の発表の中で、京都府宇和島で宇治緑茶を生産するホストのDaikiさんの体験サービス(https://www.airbnb.jp/experiences/111384)などを紹介している。茶摘みとハイキングを核に据えた2時間1人3800円という内容で、1週間で800ページビューを集める人気ぶりという。
日本では2018年1月に改正通訳案内士法が施行され、国家資格を持たない人も外国人の通訳案内を有償で提供できるようになった。Airbnbの体験サービスにとっても追い風だ。
エイチ・アイ・エス(本社・東京都新宿区)も訪日外国人旅行者と地域の現地ガイドをつなぐマッチングサイト「Travee(トラヴィ)」(https://travee.co/)を既にリリースしており、今後、日本国内での体験サービス・通訳ガイドの市場はより一層拡大しそう。