今回は、住宅宿泊事業者の義務(家主不在型の住宅宿泊事業では、住宅宿泊事業者に代わり管理業務の委託を受けた住宅宿泊管理業者の義務)の一つである、周辺地域の住民からの苦情等の対応のポイントについてご説明致します。
住宅宿泊事業法10条では、「住宅宿泊事業者は、届出住宅の周辺地域の住民からの苦情及び問合せについては、適切かつ迅速にこれに対応しなければならない。」と規定されています。
具体的には、以下の対応が必要です。
- 深夜早朝を問わず、常時、応対又は電話により対応する。
- 宿泊者が滞在していない間も、苦情及び問合せについて対応する。
- 誠実に対応する。
⇒例えば、回答を一時的に保留する場合であっても、相手方に回答期日を明示した上で後日回答する等の配慮をする。
- 滞在中の宿泊者の行為により苦情が発生している場合において、当該宿泊者に対して注意等を行っても改善がなされないような場合には、現場に急行して退室を求めるなど、必要な対応を講じる。
- 苦情及び問合せが、緊急の対応を要する場合には、必要に応じて、警察署、消防署、医療機関等の然るべき機関に連絡したのち、自らも現場に急行して対応する。
以上、今回は、周辺地域の住民からの苦情等の対応のポイントについてご説明致しました。
野村 祐美子(のむら ゆみこ)
森・濱田松本法律事務所 弁護士
訴訟等の紛争解決、企業法務全般を幅広く手掛ける。民泊新法・旅館業法など宿泊関連分野にも注力しており、「住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)のガイドラインについて」(ARES不動産証券化
ジャーナルVol.41)を共同執筆。