【民泊新法のポイント(第12回)】標識の掲示について 民泊弁護士 野村祐美子

 

今回の民泊新法のポイントでは、標識の掲示のポイントについてご説明致します。なお、本連載の中で意見にわたる部分は筆者の個人的見解であり、筆者の所属する法律事務所の見解ではありません。(関連条文等:法13条、規則11条、4号から6号様式、ガイドライン2-2.(8)①)

住宅宿泊事業者は、届出住宅ごとに、公衆の見やすい場所に、以下のような標識を掲げる必要があります。

【標識の位置】

標識は、届出住宅の門扉、玄関(建物の正面の入り口)等の、概ね地上1.2メートル以上1.8メートル以下(表札等を掲げる門扉の高さから玄関ドアの標準寸法2メートルの高さ以内)で、公衆が認識しやすい位置に、掲示されることが望ましいものとされています。

【標識の作成・加工】

標識は、ラミネート加工等により風雨に耐性のあるものが望ましいものとされています。

【共同住宅の場合】

共同住宅の場合にあっては、個別の住戸に加え、共用エントランス、集合ポストその他の公衆が認識しやすい箇所へ簡素な標識(※)を掲示することが望ましく、分譲マンションの場合には、標識の掲示場所等の取扱いについて、予め管理組合と相談することが望ましいものとされています。

【戸建て住宅の場合】

戸建て住宅の場合も、二世帯住宅等で玄関が複数ある場合や、住宅宿泊事業者が自己の生活の本拠として使用する住宅と届出住宅が同一の敷地内にある場合、門扉から玄関まで離れている場合等、届出住宅の門の扉、玄関等への掲示によるだけでは、公衆にとって見やすいものとならない場合には、簡素な標識(※)を掲示することが望ましいものとされています。

※簡素な標識とは、例えば、標識の一部分を、集合ポスト等の掲示が可能なスペースに合わせて掲示するといった方法などとされています。

以上、今回は、標識の掲示のポイントについてご説明致しました。

野村 祐美子(のむら ゆみこ)
森・濱田松本法律事務所 弁護士
訴訟等の紛争解決、企業法務全般を幅広く手掛ける。民泊新法・旅館業法など宿泊関連分野にも注力しており、「住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)のガイドラインについて」(ARES不動産証券化
ジャーナルVol.41)を共同執筆。