今月札幌市内では、安室奈美恵の札幌ドームライブ、そして3000名規模の大規模な企業ミーティング(MICE)が開催されました。その影響で宿泊需要は高まり、民泊物件へも波及効果を感じるほどでした。
MICEとは以下の頭文字Meeting・Incentive・Convention・Exhibition/Eventのことであり、多くの集客、交流が見込まれるビジネスイベント・展示会等の総称です。 MICEによる地域への経済効果は一般的な観光客以上に高いと言われております。それは会議開催、宿泊、飲食、観光等の消費活動の幅が広く、滞在期間が比較的長いためです。
先日開催されたMICEの参加者へ試験的に民泊物件を提供し、滞在していただき、利用者から民泊物件の課題や問題点をフィードバックしていただきました。 宿泊事業とは別になりますが、フィードバックの中でイベント終了時に多くの参加者が移動するのですが、その際にタクシー台数が足りないという事態により待ち時間が発生してしまいました。関係する受入事業者が連携を密にする(いつ、何名が、どこへ移動するのか)ことで防げる内容でした。
住宅宿泊事業法(民泊新法)施行後には、不動産業者による空室民泊運用も加速し、物件数は増加し、年内には100室単位で本格始動するでしょう。ホテル・民泊の客室も増えることとなりますが、インバウンド宿泊需要以外にも、大規模な企業や団体ミーティング誘致による宿泊需要を増やす取り組み・受入に関連する団体との連携も必要となります。
私のような小規模事業者であっても、地元で開催される大規模なライブや団体ミーティングの開催情報を収集し空室情報を発信し利用へとつなげることが可能です。 仲介サイトを通さずに空室を埋め、稼働率、収益率をアップさせる方法もありそうです。 民泊新法施行に伴い、大手企業の参入や用途地域制限・180日ルールなど、民泊事業の方向性において事業者が対応しなければならいことは多々あります。
私のような小規模民泊運営者が民泊事業を継続できるのか?暗中模索をしております。
南邦彦(みなみ・くにひこ) /一般社団法人北海道民泊観光協会 代表理事
元保育士養成施設教科専任教員。2014年より障がい者雇用で民泊管理・民泊清掃事業をスタート。北大公共政策大学院卒。公共政策学士。