【民泊新法のポイント(第20回)】住宅宿泊管理業者の誇大な広告等の禁止義務について 民泊弁護士 野村祐美子

今回の民泊新法のポイントでは、住宅宿泊管理業者が行ってはいけない誇大な広告等についてご説明致します。なお、本連載の中で意見にわたる部分は筆者の個人的見解であり、筆者の所属する法律事務所の見解ではありません。(関連条文等:法第31条、国交省規則第12条、ガイドライン3-2.(2))

住宅宿泊管理業者は、業務に関して広告(新聞の折込チラシ、配布用のチラシ、新聞、テレビ、ラジオ又はインターネットのホームページ等種類は問いません。)をするときは、

住宅宿泊管理業者の責任に関する事項

報酬の額に関する事項

管理受託契約の解除に関する事項

について、著しく事実に相違する表示や、実際よりも著しく優良又は有利であると誤認させるような表示をしてはいけません。

禁止されている誇大な広告等の具体的例は、以下のとおりです。

・住宅宿泊管理業者の責任に関する事項についての誇大な広告等の例

例:実際の管理受託契約上は、住宅宿泊管理業者が宿泊者によって生じた損害について一切責任を負わないこととなっているにもかかわらず、家主に損害の負担が全くないかのように誤認させるようなもの

・報酬の額に関する事項についての誇大な広告等の例

例:実際の管理受託契約上は、宿泊数に比例する料金体系が設定されるようなサービス内容であるにもかかわらず、委託報酬が月額制で上限の定まった定額であるかのように誤認させるようなもの

・管理受託契約の解除に関する事項についての誇大な広告等の例

例:実際の管理受託契約上は、契約期間途中の解約が制限されるにもかかわらず、住宅宿泊事業者の求めるときにいつでも解約できるように誤認させるようなもの

以上、今回は、住宅宿泊管理業者の誇大な広告等の禁止義務のポイントについてご説明致しました。

野村 祐美子(のむら ゆみこ)
森・濱田松本法律事務所 弁護士
訴訟等の紛争解決、企業法務全般を幅広く手掛ける。民泊新法・旅館業法など宿泊関連分野にも注力しており、「住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)のガイドラインについて」(ARES不動産証券化
ジャーナルVol.41)を共同執筆。