【第60回】ゴールデンウィークの清掃『北海道民泊、訪れてよし住んでよし』北海道民泊観光協会 代表理事 南邦彦さん

ゴールデンウイークは、特に民泊現場ではゲストのチェックアウトが多く、清掃する部屋と清掃員とのマッチングが行われています。

最近、民泊現場では市販シーツ(オーナー所有のシーツ)からホテルリネンへの移行が進み、清掃会社所有のホテルリネン持ち込み清掃が主流です。 当初、ゲストのチェックアウトする日に合わせ清掃員を調整する作業は目視で行っていました。清掃チームはメールやLINEなど様々なツールを経て依頼される清掃依頼を情報管理する必要があり、1日50清掃を超えると人間が管理することは難しく、ヒューマンエラーが発生することもありました。

現在はAirbnb等の仲介サイトカレンダーを同期させ、ゲストのイン・アウトが確定した段階において自動的に登録清掃会社へLINEで清掃依頼、希望にあった日時条件を確認の上、清掃内容をLINE上で受託、現場から清掃後の画像をLINE上から報告送信、さらには清掃会社が受託した受託金額一覧を受発注双方が確認することができます。 1週間先・1ケ月先の清掃予定を瞬時に確認することが可能です、予測を立てて清掃員やリネン・消耗品購入を計画的に準備しています。 清掃依頼自動受発注システム導入によって、ヒューマンエラーを防ぐことができ、さらに人件費を大幅に軽減することができました。

過去、私たちもコインランドリーを利用していたことがありました、前回使用された人がおむつを洗う・ペットのシートを洗う、など何を洗っているかわからない、不特定多数の人が様々な洗濯物を利用する可能性があります。 軽減できた資金を民泊専用ホテルリネン・民泊専用業務用洗濯機、民泊専用業務用乾燥機へ投入することができました。 民泊オーナーによってはシーツ購入費用が高額となり、新規民泊部屋を開設する際の障壁となっていたので、オーナーがリネン(シーツ・タオル)を購入を不要とするため、清掃チームが民泊オーナーへリネン(シーツ・タオル)を提供・リースすることを行っています。 この場合、リネンの所有は清掃会社となるため、洗濯代行とはならず、クリーニング業法に沿った運用が可能となりました。

住宅宿泊事業法(民泊新法)施行に向けて、様々な方が民泊清掃事業に参画しようとしています、清掃の依頼・受託・報告やリネン管理などは簡易な一般化された仕組みでなければプレイヤーを増やすことは難しいのです。

南邦彦(みなみ・くにひこ) /一般社団法人北海道民泊観光協会 代表理事
元保育士養成施設教科専任教員。2014年より障がい者雇用で民泊管理・民泊清掃事業をスタート。北大公共政策大学院卒。公共政策学士。