【徹底解説レポート⑥】住宅活用型ホテル!なぜ注目されるのか?

株式会社SHI(本社:福岡県福岡市、代表取締役:齋藤仁)は、マンション型ホテル「Residence Hotel Hakata 8」を2018年4月28日(土)にオープンした。
同社は他にも「レジデンスホテル博多」、「スマートホテル博多」などマンションを活用し、ホテルとして運営していくスタイルを取っている。
住宅活用ホテルとは、マンションやアパートなどで元々住宅として利用されていたところを、旅館業に沿うように消防設備などを取り付け、滞在特化型ホテルとして運営していくものである。特に大阪の特区民泊でも多く見られるものである。普通のホテルとどう違い、どうメリットがあるか。

ーメリットとしては、大きくわけて4つ。

1.コスト削減

開業する際に、既存のマンションを使用するため大きな改修をする必要がなく、消防設備と内装費で住むため一からホテルを建てるよりもリーズナブルである。
人件費の面でも、一例ではあるが施設立地をドミナント方式で建てることにより、全棟にレセプションを設けずに拠点レセプション(15分以内で駆けつけられる等)を設けて行っているところもある。
そのため、受付などを常駐させる必要がなく、人件費が大幅に削る。

2.開業までのリードタイムを短縮

開業までは、ホテルの場合建てるまでに2年ほどかかる。
住宅を使う場合、平米数にもよるが早いもので1ヶ月以内で始められるものもある。
70部屋ほどの一棟施設を持たれている方でも、最短で3ヶ月ほどで開業することができる。
今後、東京、大阪、福岡などでもホテル建設が進んでいき、2020年以降供給過多となってしまうのではないかということを言われているが、住宅を活用した場合は最短で上記の日数で開業できるためほぼ影響は受けない。下記でも記載しているが、仮に供給過多となった場合でもホテルではなくマンションとして活用することでリスクヘッジすることができる。

3.リスクヘッジ

住宅をもともと活用しているため、いざホテルの収益が悪化したとしてもすぐに住宅に戻すこともできる。そのようにホテルからアパートに転用できるというように出口のプランを用意することで、銀行からの融資も受けやすくなる。
ホテルの場合、収益が悪化するとマンションやアパートに変える事ができず(変えたとしてもキッチンなどないので使いづらい。)、次への転用が難しい。

4.キッチンなどがあり、滞在重視

最近のインバウンドの流れとしてファミリー向けのキャパの大きく、キッチンなどがついているような長期滞在向け施設に人気がある。
ホテルの場合だと2人〜4人部屋くらいが多く、ファミリーだと複数室取らなければ泊まることができない。そういったことを加味すると今後のインバウンドのファミリー需要、そして国内需要に対しても、しっかりと対応することができる。

ー最後に

最近では、マンション活用型や空き家を活用したホテルが増えてきている。
そういった背景に旅館業法の改正や特区民泊なども起因している。
また投資としてもインバウンドが伸びてきており、マンションとして活用するよりも、ホテルとして活用する方が利回りが良い場合があるということも重要である。
宿泊者目線で言えば、既存のホテルのようにキッチンがなく、収容人数の少ないところと比べて、より家族とその地域の滞在を楽しむことができるようになるのではと思う。
とはいえ、ホテルはホテルの良さがありということで、宿泊の目的に合わせて選べるようになったことが何よりも宿泊者からすると嬉しいことである。

(民泊大学研究生・受田宏基)