【徹底解説レポート⑧】日本の分散型ホテルの元祖!古き良き趣を残したNIPPONIA!

今回の徹底解説はバリューマネジメント株式会社(代表取締役社長:他力野 淳、本社:大阪市)が兵庫県篠山市で運営する篠山城下町ホテル NIPPONIAについて解説していく。

バリューマネジメントは、歴史的建造物の利活用を中心とした宿泊施設や結婚式場、レストランなどの運営事業を行っている。運営形態は事業用途に応じて、歴史建造物の所有者が施設の改修等及び旅館業の取得を行い、それを賃貸する形で運営をしている。

ーどういったホテルなのか?

今回の篠山城下町ホテル NIPPONIAは築100年を超える明治時代のものなど、5棟の歴史的価値のある建物をリノベーションし、2015年10月にオープンした。
(※ちなみに、千葉県香取市の商家町全体をホテルにした、佐原商家町ホテル NIPPONIAが2018年3月にオープンした。)

5棟のそれぞれには篠山と関係の深い菊の名前がつけられており、各々「ONAE(オナエ)」「SAWASIRO(サワシロ)」「NOZI(ノジ)」「SION(シオン)」「SYOUZI-AN(ショウジアン)」である。

ONAE(オナエ)には、レストランがありフランス料理を味わえたり、SION(シオン)では収容人数が多く3世帯で滞在することができたり、SYOUZI-AN(ショウジアン)は日本を代表するデザイナー喜多俊之氏がプロデュースを行っており、ハイセンスな空間で刺激的に過ごすことができたりと、それぞれで目的に合わせた違った空間を楽しむことができる。

ー最近話題の分散型ホテルの元祖

篠山城下町ホテル NIPPONIAはフロントが独立している、町全体がホテルの分散型ホテルである。
分散型ホテルについては以前の記事をご参照いただきたい。

【徹底解説レポート③】SEKAI HOTEL 分散型ホテルの最前線

そのため、ONAE(オナエ)にフロント機能があり、チェックインが終わると、車で町に点在する各宿泊棟へ送迎される。施設一箇所だけでなく、町全体を使うことにより宿泊者が町を周遊する目的をつくり、町全体を活性化することができる。

そういった意味で篠山城下町ホテル NIPPONIAは、大阪西九条のSEKAI HOTELや都市型で行っているENSO ANGOなどの分散型ホテルの元祖にあたる。

分散型ホテルは、今後こういった地域の町全体を活用したものや、都市部でフロントを統合し、その周辺に宿泊特化型の棟を複数設けていくようなそういった形のものも今後増えてくる。

ー最後に

篠山城下町ホテル NIPPONIAをはじめ、あらゆる歴史的建造物の運営を行っているバリューマネジメントですが、『歴史的建造物の「文化を紡ぐ」ためには、必要とされる事が重要です。必要性を生むために、そこでしか体験できない非日常を提供することにより、顧客の生涯の想い出となることを目指しています。』とホームページで語っています。

歴史的建造物を現代に馴染ますために、矛盾するが逸脱させた非日常なものとして捉えていく必要があるのだと思いました。

今後もNIPPONIAを始め、分散型ホテルの未来に注目です。