星野リゾート(本社・長野県軽井沢町/代表取締役・星野佳路)が2018年5月9日に東京の大塚にOMOブランド2号店となる「OMO5東京大塚」をオープンした。
ーOMOとは?
OMOは、「星のや」「リゾナーレ」「界」につぐ4番目のホテルブランドである。
街全体をリゾートと捉え、街の魅力に寄り添う新たな都市観光ホテルである。
コンセプトは、「寝るだけでは終わらせない、旅のテンションを上げる都市観光ホテル」。
都市にはビジネス向けのホテルが多く、日本人が都市に遊びに来たときに宿泊できるような、観光客向けのホテルが少ないということに目を付け、都市型ホテルの新しいモデルケースとして建てられた。
OMO1号店は旧旭川グランドホテルを改修し、2018年4月28日にリニューアルオープンしたOMO7旭川である。
またOMOの後ろについているOMO5やOMO7という数字は、自社で定義づけられたもので、提供するサービスの幅を示している。例えばレストランの有無や設備、スペックなどで、基準を0としたときのポジションを表している。
ーOMOの特徴とは?
1.ご近所マップ
OMOの2大コンテンツの一つで、ホテルから徒歩10分圏内の観光場所やおすすめの飲食店などが掲載されており、町を散策する際に利用することができる。また、マップに掲載されているお店にはQRコードもついており、スマートフォンで読み込んでGoogle Mapから開くことができる。
2.OMOレンジャー
2大コンテンツのもう1つで、「ご近所専隊 OMOレンジャー」という町を知り尽くしたガイドが案内してくれるサービスである。レンジャーというだけあり、5色それぞれにガイドの特色がある。OMO REDは「お酒担当」、OMO YELLOWは「食い倒れのグルメ担当」、OMO BLUEは「クールなグルメ担当」、OMO PURPLEは「アフター5のナイト担当」、OMO GREENは「レトロな町並みを巡るお散歩担当」というように特色があり、OMO GREENのみ無料ガイドをしてもらえる。その他のガイドに関しては、ガイド料金2時間に付き1,000円となっている。
3.秘密基地をイメージしたゲストルーム
YAGURA Roomと呼ばれる、秘密基地を思わせるような作りになっている。
畳張りになっており、靴を脱いで過ごすことができる。こういったところにも、日本人観光客をターゲットにしているということがわかる。客室は全125室あり、1室のシングルルームを除いて、残り全ては「YAGURA Room」の1タイプのみである。
ー最後に
最近ではインバウンド需要が右肩上がりで伸びていっているため、どうしてもそちらに目が行きがちであるが、しかし国内旅行消費額に目を向けたとき2016年で25兆8,000億円あり、そのうちインバウンドが3兆7,000億円で、国内が16兆円となっている。成長率でいうと国内は小さいかもしれないが、消費額単位でみたときまだまだインバウンドの約4倍〜5倍もある。
星野さんがおっしゃっているように都市には日本人観光客が好んで泊まるホテルは少なく、しいて言うとディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパンのホテルくらいしか思い浮かばない。そう考えたとき、国内需要を取り込むチャンスは大きくあり、逆にインバウンドと騒がれているなかでは、日本人の観光客に特化した宿泊施設づくりはブルーオーシャンなのではないかと思う。
今後のOMOブランドの展開に注目していきたい。
そして、実際に泊まりに行ってみようと思う。
(民泊大学研究生・受田宏基)