【第72回】エアビーショックから立ち直る 『北海道民泊、訪れてよし住んでよし』北海道民泊観光協会 代表理事 南邦彦さん

住宅宿泊事業法(民泊新法)の適法化に伴い、Airbnbなどの仲介サイトから届出がない違法な予約として判断されたため、予約が強制キャンセル(エアビーショック)でゲスト・民泊ホストそして清掃洗濯チームまで現場は大混乱です。

ゲスト・ホストともに予約がキャンセルされることはショックなことでしょう。 様々な情報を得たり、誰かに相談をするとしても、あくまでも自らの行動を決定するのは自分自身です。

既存民泊プレーヤーにとっては、それぞれ判断が求められています。 そんな中、関東圏の大家業の方々が集い札幌の民泊現場を見学にお越しになりました。札幌の民泊市場の調査に私も同行し、情報交換をさせていただきました。

短い時間で複数の物件を内覧します。 その現場には不動産会社の担当者やリフォーム業者が待機し、大家さん各々の方程式を駆使し物件の価値を判断します、条件が合えば、その場で買い付けを申し込むのです。もちろんその方程式の中には民泊運用が可能か?宿泊料は妥当かどうかも基準に入っております。

私が驚いたのは、こんなボロボロの物件、どうやっても借り手がいないでしょう!(もちろん民泊としても不可)というアパートがありました。室内の天井は穴があき断熱材がむき出し、壁にはきれいな模様(色とりどりのカビ)、2階の外廊下(共有部分)は朽ちて穴が空き落ちそう!穴はべニア板を敷き、1階部分からつっぱり棒(角材)で補修されています。

とある大家業の方がおっしゃるには、これはこれでリフォームすれば借りたい人がいると、スマートフォンには、全国のもっとひどい物件(アパートや戸建て)の画像を見せてくれました。 このようなボロボロ物件は、通常の不動産賃貸の流れにはそぐわないため、様々な工夫、流れをつくり貸し出すそうです。(驚きの連続・・・)

私自身、今回のエアビーショックでいろいろと頭を悩ませる、弱気になることが多かったのですが、 関東圏の大家業の方とお話する中で、物事を違う角度からも見るようにしているか。多面的に捉えているか。色目めがねをかけていないか。木も森も見えているか。常識という枠にとらわれていないか。など自己点検をさせていただき、さらには生きる力を得ました。