【第5回】注目される農泊  北海道民泊観光協会 代表理事 南邦彦さん

北海道農政部農村振興局農村設計課 農村活性化グループ担当者より紹介をされた農場は八剣山果樹園(札幌市南区砥山)です、私も何度か消費者として訪問したことがあったところでした。

札幌市内で農泊?と疑問に思われる方も多いかと思いますが、札幌市内で農業を営んでいる方もおります(市内食糧自給率3%)。札幌市域の約60%は南区であり、その南区大半は山岳地帯です、山間に住宅戸建てが立ち並んでおり、温泉で有名な定山渓・札幌国際スキー場があります。

真駒内(札幌市南区)が1975年冬季オリンピック開催の主会場となるなど、自然豊かな地域ですが、その南区の人口は平成10年から減少しつつあります(札幌市内の人口減は南区のみ)。

私の両親も南区に在住しております、人生100年時代とは言え、あと10年もするとあの戸建て住宅街はどうなっていくのか?と多くの住民が頭によぎることがあるでしょう、私は2年前、札幌市内の郊外戸建てで試験的に民泊事業を行いました。

市内の郊外(北区・南区)住宅街の戸建てで民泊、住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行される前です。地域の方には「社宅で利用します、様々な人種の人たちが利用します」と挨拶して歩きました。約1年のテスト運営、夏は雑草の管理(除草剤は環境、体に悪いので食塩を巻く)・冬は除雪や凍結防止、困難の連続でした。

札幌市内郊外戸建てを利用されたいゲストの方もおり、短期・中期の需要があることがわかりました、しかし、町内会も含めた近隣から、あそこは民泊ではないかという話や噂が広がり、その対応にも追われることもありました。(町内会長さんのご自宅へ伺いお話を聞くなど)

多くの課題や問題点が見つかった札幌市内郊外戸建てでの民泊実験でしたが、不思議と南区藤野エリア民泊では、地域の方が民泊として認識をするも問題視せずに、温かく見守って頂けたのです。

住宅宿泊事業法施行に伴い、住宅地におけるホスト不在型民泊運営は曜日等の制限があり、本実験は休止することといたしましたが、需要があること・住民の理解はどうか?という面では大変勉強になりました。

八剣山果樹園を訪問しお話を聞くと、すでにいくつかの団体から農山漁村振興交付金について提案を受けているということでした。