【第80回】違法民泊の排除 『北海道民泊、訪れてよし住んでよし』北海道民泊観光協会 代表理事 南邦彦さん

民泊施設内のエントランス付近でウロウロしている2人組。

怪しい!と思っていると、2人組から声を掛けられました。

「保健所です、民泊について調査しています」

詳しくヒアリングをすると、アパートの住民から連絡があり、違法民泊が行われているのではないかという相談が寄せられたので調査しに来たそうです。 私はアパート内にある民泊として運用されている1部屋1部屋を案内しました。

調査物件は札幌市内中心部から、やや離れた場所にあり、地下鉄の最寄り駅から徒歩5分前後。アパート周辺には人通りも多く、アパート内に居住する住民同士も日ごろ挨拶を交わすような雰囲気。

このアパート内でプレートを掲げずに違法民泊を運用すること事態は難しいのです。私が知らないだけでこの物件にそのような違法民泊があるのだろうか?仮にあったとして、仲介サイトへ掲載せずに、どのように集客をしているのでだろうか?

本物件のオーナーは1階を民泊とし、2階以上は賃貸住宅、さらにエントランスを区分けし、民泊利用者用のドアを設置しました。 そのような環境の物件で違法民泊をあえて運営することは考えにくい。

結果的に、違法民泊・闇民泊を見つけることはできませんでした。

アパートオーナーと連絡をとり、入居者からの連絡があり保健所が訪ねて来ていたことを伝えると、賃貸入居者の中に外国人がいるので、混同しているかも知れないとのことでした。 違法民泊・闇民泊について報道されることで、住民の中には不安を感じる方も多く、民泊コールセンター等へ連絡をされたのかも知れません。

地域住民から連絡を受け、保健所の方が現地調査へという現場へたまたま居合わせたのですが、管理業や民泊清掃・民泊リネン会社と行政が力をあわせ、違法民泊を排除する動きを強めることは可能です。 民泊適法化に向け官民連携を図るためにも、現状の問題点の把握や今後の改善策について官民が同じテーブルにつき議論する場が求められています。