【第84回】 増加しつつある民泊物件『北海道民泊、訪れてよし住んでよし』北海道民泊観光協会 代表理事 南邦彦さん

札幌市内の届出数は1000を超えました。 先日、十勝帯広のアパートオーナーさんが札幌入り、札幌市内の住宅宿泊(民泊)事業可能な不在型物件を内覧されて行き、すぐに複数のお部屋を契約されたそうです。

住宅宿泊事業法(民泊新法)施行によって、届出やチェックインシステムの導入、180日運営、住宅宿泊事業者への委託など、施行前よりもコストが発生いたしますが、それでもビジネスとして参入される方が多いのも事実です。 先行者利益もありますが、後発者利益も見過ごすことはできません。先行者である民泊事業者が苦心して作り上げた仕組み、届出・設備・清掃・ゴミ処理・リネン洗濯・メッセージ・駆けつけ等々の仕組みを後発者は一番効率的な運用の内容を選択することが可能です。

家主不在型の場合、ホストは住宅宿泊管理業者に対して以下6項目を依頼する必要があります。

1.清掃 2.安全確保 3.案内 4.名簿作成  5.騒音対策 6.苦情対応 

札幌と十勝帯広は同じ北海道内ではありますが、距離にして200キロ離れており、帯広ホストが札幌の物件を運用することは難しいのです。住宅宿泊事業法に沿って管理業者へ業務を依頼することでホストが遠隔だったとしても運用が可能です。

住宅宿泊事業者の業務

住宅宿泊事業者は、住宅宿泊事業の適正な遂行のために下記の措置等をとる。

(1)宿泊者の衛生の確保について
[1]居室の床面積は、宿泊者1人当たり3.3㎡以上を確保すること
[2]清掃及び換気を行うこと ※「旅館業における衛生等管理要領」も参考にしてください。

(2)宿泊者の安全の確保について

住宅宿泊事業者は、下記の事項について行う必要があります。
[1]非常用照明器具を設けること
[2]避難経路を表示すること
[3]火災その他の災害が発生した場合における宿泊者の安全の確保を図るために必要な措置を講じること
(3)外国人観光旅客である宿泊者の快適性及び利便性の確保について

住宅宿泊事業者は、宿泊者に対し、下記の事項について行う必要があります。

[1]外国語を用いて、届出住宅の設備の使用方法に関する案内をすること
[2]外国語を用いて、移動のための交通手段に関する情報を提供すること
[3]外国語を用いて、火災、地震その他の災害が発生した場合における通報連絡先に関する案内をすること

(4)宿泊者名簿について

住宅宿泊事業者は、宿泊者名簿の備付けにおいて、下記の事項について行う必要があります。

・本人確認を行った上で作成すること
・作成の日から三年間保存すること
・宿泊者の氏名、住所、職業及び宿泊日を記載すること
・宿泊者が日本国内に住所を有しない外国人であるときは、その国籍及び旅券番号を記載すること

(5)周辺地域への悪影響の防止について

住宅宿泊事業者は、宿泊者に対し、下記の事項について書面の備付けその他の適切な方法により下記の事項について説明する必要があります。

[1]騒音の防止のために配慮すべき事項
[2]ごみの処理に関し配慮すべき事項
[3]火災の防止のために配慮すべき事項

(6)苦情等への対応について

住宅宿泊事業者は、届出住宅の周辺地域の住民からの苦情及び問合せについては適切かつ迅速に対応しなければいけません。