【第100回】住宅宿泊事業の未来『北海道民泊、訪れてよし住んでよし』北海道民泊観光協会 代表理事 南邦彦さん

本コラムも100回目となりました。お付き合いいただいている読者の皆さん、民泊大学の皆さん、多くの関係者の方々には感謝の気持ちでいっぱいです。

コラムは夜、自宅(札幌市豊平区平岸)でパソコンに向かい書くことが多いのですが、先ほど「ドーン」と大きな音が聞こえ、その後、サイレンが鳴り響きました。ネット上では飲食店からガス爆発というニュースが流れています。私の自宅からも炎が見え煙も街中に立ち込めており、消防・警察や報道関係者などで、周囲は騒然としています。事故発生地の建物とその周辺は大きな被害がありました。 私の民泊物件は、事故発生地と1ブロック離れており、幸い被害はありませんでした。ゲストへは交通規制があること、避難する必要が無いことなどを伝えました。

住宅宿泊(民泊)の現場では、日々様々な出来事が発生しており、コラムに書いていることはほんの一部なのです。 機会がある限り講演会等のお誘いがあれば、民泊現場で起きていることなどをスピーカーとして登壇をさせて頂いております。

先日、民泊カンファレンスが札幌で開催をされ、私も時間をいただきお話をさせていただきました。

① 内閣府の掲げる、観光の力で地域の雇用創出と観光産業の変革 目標設定として2020年 訪日外国人旅行者数 4,000万人(2015年の2倍) 訪日外国人旅行消費額 8兆円(2015年の2倍超)に対して、住宅宿泊(民泊)がどの程度、貢献をすることができるのか?

② レジデンスホテル(不動産開発・ファンド)、空室をサブリース借上げによる住宅宿泊運用手法の台頭によって100室単位で増加をする現状

③ 地域として増加する宿泊施設をどのように受け入れる、体制を整えていくべきか

以上の3点です。 既存のプレーヤーからすると同業者(ライバル)が増えることは脅威とも見ることもできますが、旅行者を今まで以上に受け入れること、多くの事業者がビジネスを拡大することで、より地域の雇用創出へつなげることができます。 100室単位で増加をする住宅宿泊施設をスムーズに稼働させるために、清掃とリネン(シーツ・タオル)の協業化が必要であり、いくつかの清掃会社が連携をスタートさせている実態があります。クリーナーの確保という視点からホテルの客室清掃と住宅宿泊(民泊)清掃業務の協業化も近い将来検討されることもあるでしょう。

しかし、現状としてはホテルの日々客室清掃(リネン交換)と住宅宿泊のアウト時に客室清掃(リネン交換)とではリネンサプライ(リース)の考え方、洗濯代金の算出に隔たりがあり、いくつか解決していかなければいけない課題があります。

100室単位の客室リネンを宿泊施設が負担をするのか?
清掃会社(リース)が負担し、他の物件と共有するのか?

事業運用の計画段階から、より効率的な方法を選ぶ必要があります。そのような清掃・リネン受入体制があるエリアには、住宅宿泊施設(不在型)・レジデンスホテルが建設されやすいとプレゼンさせていただきました。 もちろん旅行者が増えることで、地域住民の生活が悪化するなど、オーバーツーリズムが問題となる可能性もありますので、他のエリアで民泊カンファレンスで話し合われている内容なども注視しながら、今後も住宅宿泊事業の活動を展開して行きます。