先日、新千歳空港がある千歳市において、千歳市グリーン・ツーリズム促進セミナー(主催:千歳市観光スポーツ部交流推進課)が開催され、私も講師として参加をさせていただきました。
※グリーンツーリズム:緑豊かな農山漁村でゆっくりと滞在し、訪れた地域の人々との交流を通じて、その自然、文化、生活、人々の魅力に触れ、農山漁村でさまざまな体験などを楽しむ余暇活動のこと
参加をされた地域の方々は、農家民宿をされ修学旅行者を受け入れしている、加工場を設備され販売している、農業と飲食店の経営、日ごろ地域情報発信を行っており、「わが村は美しく-北海道」が奨励賞(国土交通省 北海道開発局)を受賞するなど、様々な分野で活躍されています。
私からは農家民泊・農家民宿、住宅宿泊事業(民泊)の違いや、民泊登録から運営・清掃の話など簡単にですが現況をお話させていただきました、主催者からセミナーへそのまま参加をしてもよいとのことでしたので、その後のプログラムへも参加をさせていただきました。 株式会社いただきますカンパニー代表取締役である井田芙美子さんの「女性と高齢者が笑顔で働く畑ガイドツアー」、起業に至る経緯や実践、そして今後の取り組みなど詳細にお話をしていただきました。
いただきますカンパニーは、平成24年3月帯広市に創業し、札幌営業所に現在スタッフ29名(正社員・アルバイト・畑ガイド)、契約農家100軒以上。 事業概要は観光事業、食育事業、施設管理事業(指定管理)、人材育成事業です。
私は畑ガイド農場ツアー(商品名:農場ピクニック)の仕組みに興味を持ちました。農業者は畑を見てほしい、体感してほしいという受け入れの気持ちはあるが、専業農家が多く副業として取り組むだけの労力がかけられない。しかし、勝手に来て勝手に案内してくれるならいい、生産者と消費者が直接つながることの限界が、グリーンツーリズムが広がらない要因と分析をされ、農業者(畑)の情報発信・販売を代行する畑ガイドという仕組みをビジネス化されました。
畑ガイド農場ツアーの仕組みは地元住民を農業専門のガイドとして養成、シニア層の生きがいと収入、ガイドが畑を案内することで農業者は手間をかけずに消費者を受け入れることができる、行政もその仕組みを地域情報発信とすることができるという内容です。
畑ガイド農場ツアーを利用される層は、教育熱心な首都圏ファミリーが30%、北海道リピーターの東南アジア圏ファミリー20~30%、視察研修が10~15%。 私たち住宅宿泊事業者(民泊)も、泊まりたい方と部屋のマッチング・清掃する部屋と清掃員(会社)とのマッチングと俗にいうマッチングビジネスです。井田さんは母業をされながら、農業、農村の魅力、体験を国内外ゲストへ提供されており感嘆するばかりです。 セミナーへ参加し住宅宿泊事業者(民泊)のマーケットが広がりつつあるなか、ゲストと地域の方との交流を深める仕組みを考えていきたいと感じました。