【第121回】民泊はホテルと肩を並べて競うというようなモノではない 『北海道民泊、訪れてよし住んでよし』北海道民泊観光協会 代表理事 南邦彦さん

先日、第46回北海道宿屋塾が開催されました。

日時 2019年3月26日 13:30~16:00
場所 札幌第一ホテル 札幌市中央区南7条西1丁目
講師 北村剛史さん
内容は「多様化する宿泊施設の品質認証について」

です。 私が北海道宿屋塾へ参加したのは、ちょうど1年前でした、当時はホテル関係者が民泊反対署名を集める活動を積極的に行っており、民泊事業者としてこのような会に参加をしてよいものか、恐る恐るコンタクトをさせていただいたことを覚えております。 「民泊事業者も参加可能でしょうか?勉強させてください」に対して、宿泊業ということで受け入れていただきました。

今回の勉強会の中でも「民泊」というワードは出てきました。 札幌市内においても宿泊施設の多様化や新規開業が急速に進んでいます。住宅宿泊(民泊)とホテル旅館の競合、その具体的な内容についても検討されています。 「宿泊施設の本質とどう向き合う」ためにも、多様な宿泊業が一同に介して研修を行い、守備範囲を意識しながら各々が事業を遂行して宿泊者ニーズに対応することが必要ではないかと感じております。 講師の北村先生からも、民泊はホテル旅館業の脅威ではないのかなど相談を受けるが、民泊(住宅宿泊)はホテル利用者とは違う層が宿泊(グループ旅行の連泊など)しており、競合ではなく、補完するような存在であると解説がありました。

私も住宅宿泊は宿泊全体のシェアは1%にも満たない程度であり、民泊がホテルと肩を並べて競うというようなモノではないと思っていました。 今回の研修会でいただきました資料へ目を通すと顧客ニーズ調査の項目は100以上もあります。「ドライヤーの強度と快適性」「消臭スプレー」「清掃担当者のサインがある」「観光対策の充実度」など、それぞれ項目に対して大変重視する人の割合、それぞれの項目にいくら支払うか?平均値(円/室)と詳細に区分されております、住宅宿泊事業者も自身の施設の立ち位置を確認する上で大変参考になります。 現在、顧客ニーズ調査のカテゴリーは「ビジネスホテル」「シティホテル」「リゾートホテル」と区分されていますが、今後、「民泊・住宅宿泊」が追記される日も近いかも知れません。

【北村剛史(キタムラ タケシ)氏プロフィール】 2000年に不動産鑑定評価会社である(株)谷澤総合鑑定所に入社、その後、産業再生機構に出向し店舗不動産、その他事業用不動産のデューデリジェンスを担当。2006年にホテル旅館専門の不動産鑑定評価会社である(株)日本ホテルアプレイザルの設立メンバーとして移籍。2011年には株)ホテル格付研究所を設立し、ホテル旅館品質認証基準の研究に着手。(株)日本ホテルアプレイザルの取締役。(株)ホテル格付研究所代表取締役所長/(株)日本ホテルアプレイザル取締役