【第139回】進化する民泊清掃『北海道民泊、訪れてよし住んでよし』北海道民泊観光協会 代表理事 南邦彦さん

私の民泊との出会いは清掃事業でした。

約5年前、前職の保育士養成施設(保育士資格を付与する教育施設)で札幌市の助成事業に「障がい者協働事業」へ応募し5名の障がい者を雇用し学内清掃を行っていました。 札幌市障がい者協働事業は、 障がいのある方もない方も対等な立場で、ともに働ける新しい職場のかたちを進め、障がいのある方の就労促進、社会的、経済的な自立を図ることを目的とした事業。運営事業者に対して、予算の範囲内で運営費の一部を補助している制度です。

障がいを持った彼らは学内清掃に励みつつ、清掃の幅を広げたいという意欲から清掃の受託先を探していた時に民泊清掃と出会いました。

1社から複数物件の民泊清掃受託からスタート、あっという間に取引先は増え、100室以上の清掃を担当するまでになりました。 多くの民泊運営の手法を受け入れていると清掃漏れの発生やその部屋の清掃のやり方がわからなくなるなど、大混乱をきたすこともありゲストやホスト・清掃チームへも迷惑をかけ苦労は多かったです。 個人・法人によって民泊に対する考え方は様々で、どこの立地で、どんな部屋にするか?リネンサプライを導入している部屋、量販店のシーツ、タオル(乾きやすい素材・そうではない素材)、シングルベッド・ダブルベッド・布団を基本とする部屋、 清掃依頼や報告もメール・LINE・補助ホスト・サイトコントローラーシステム利用など様々な部屋を担当させていただきました。

依頼する企業それぞれのやり方を垣間見る、そして民泊部屋へ入らせていただくことができ、そのいいところをかいつまむことで民泊運営をよりスムーズに行うことが可能です。

現在、札幌の障がい者就労支援事業所では得られる助成金よりも民泊清掃売上の方が上回っている事業所もあります。 民泊清掃に携わることによって関連するビジネスも含めて業界の動きをみることができます。