北海道胆振東部地震から1年、住宅宿泊事業者へもマスコミ取材依頼がいくつかありました。
何度か取材を受けている中で感じることは、取材の趣旨は確定しており、記者の方はその趣旨に合わせて回答を求めるという点です。ですので、情報にはある程度取材する側の主観が入っており、あとは読み手の判断に委ね割り切って取材に応じるようにしています。
昨年、地震発生から2ヶ月半後の11月26日、札幌ホテル旅館協同組合の情報交換会において、札幌市内住宅宿泊事業者の対応について報告をさせていただきました。
報告した内容は、
【災害によるキャンセル状況】
住宅宿泊事業者 824室 (9月3,970人 17,865千円 10月480人 2,552千円
●家主滞在型:札幌市内住宅宿泊事業者
・災害発生日の9月6日チェックアウト
ゲストについてはそのままステイを案内(延泊)、ガス調理による食事の提供など行った
・災害発生日の9月6日チェックイン
ゲストについては停電により信号機が作動していないエリアが多く、チェックインすることができない、滞在地にとどまるよう促した(当初より民泊物件はフロント機能が無いため、やりとりはメッセージ対応としており、ゲストとは連絡がつく環境であった)
●家主不在型:札幌市内住宅宿泊事業者
・ほぼ滞在型と同内容(滞在地にそのままステイ・ゲストとメッセージ対応が可能であった、一部の事業者は通常時からメッセージ業務を道外へ委託しておりメッセージ対応はスムーズであった)
・9月6日チェックアウト ゲストの一部は道外への渡航を試み、札幌から小樽港へ徒歩で移動
・9月6日チェックイン ゲストのほとんどは札幌まで移動をあきらめ滞在地でそのままステイ
・チェックインが重なり 部屋がダブルブッキングしたゲストについては空き室案内
・室内に設置されている懐中電灯が活躍 ・管理業者(駆けつけ業務)による炊き出し食事の提供がゲストに大変喜ばれた
・管理業者(不動産会社)が民泊物件へ発電機を持ち込み、スマホ充電やお湯を沸かしてカップ麺を提供
【空室の提供について】
・民泊仲介サイトには災害時、部屋を提供するオープンホームという機能があり、地震発生後、札幌市内ホストはオープンホームで部屋を開放したが、その情報があまり活用されなかった
・地下歩行空間や中島体育センターでステイしている外国人がいるとの情報が入り、一部民泊ホストはオープンホームがあることを避難所へ伝え歩いた
【まとめ】 ・今回の災害時に大規模な停電が発生、しかしインターネット利用が可能であったため、住宅宿泊事業者とゲストとのやりとりはスムーズであった(過去に部屋を利用したゲストから心配するメッセージが多数寄せられ、電池の残留を消費する民泊ホストもいた)
【そのほか】
・9月14日 民泊事業者として観光庁へ出向き、北海道胆振東部地震 住宅宿泊事業者の対応について報告
・ふっこう割りについて 市内一部の民泊物件が対象となった(旅行会社が住宅宿泊運営)
以上の内容の通り、災害時の混乱はあったもののゲストからの協力や同業者や関連する宿泊事業者・行政と連携を図り、さらには多くの方の応援をいただき民泊運営を継続することができました。