【第167回】オリンピックのマラソンが札幌で開催『北海道民泊、訪れてよし住んでよし』北海道民泊観光協会 代表理事 南邦彦さん

オリンピックのマラソンの会場を東京から札幌へという報道がありました。その内容を聞き札幌市民として歓迎したい気持ちと受け入れ体制はどうなのか?何ができるのか?など、妄想していました。

報道等でご存知の通り、それらの動きに対してその立場で反応は様々です。

札幌を拠点としている我々民泊事業者にとっても他人事ではありません。 報道ではオリンピック期間中、その前後など札幌の客室が足りなくなるのではと心配の声が紹介をされています。 確かに宿泊需要を見越してホテルを建設しようにも、土地や建物、その運用を考えるとスケジュール的に無理があります。 さらにはマラソン・競歩を受け入れた際に、いつ、どの程度、どの様なタイプの客室が不足するのかという数字は見えておりません。

オリンピック開催前に参加する選手をサポートする企業、例えばシューズメーカーのスタッフが前乗りし1ケ月単位で企業が客室を借り上げるようなこともあるでしょう。

またボランティアスタッフの方が滞在する客室も必要となります。その場合シングル・ツイン・戸建てタイプなど、どういった部屋がいくつ必要かという情報収集が必要です、受け入れる側として客室需要を予測した供給を行うのか?はたまた市場に委ねるのかなど、検討する余地があるでしょう。

札幌は人口以上にアパートが建設されており、空き室は10万室あります。住宅宿泊事業法(民泊新法)を活用することで、このような突発的な宿泊需要に対応することもできます。しかし空室を客室へ転用する場合、周辺住民への理解・届出・消防設備・ベッドや家電のセッティング、OTAへの登録や部屋の案内ガイド作成など、用意する部屋数にも寄りますが60日程度必要です。 他にも住宅宿泊事業法を活用して飲食ビルや事務所ビルを客室へ転用することで1つの建物で多くの客室を確保するというアイディアもあります。

この場合、消防設備は既に設置されており、解体、内装を行い客室とするまでには100日程度が必要です。 正式に東京オリンピックのマラソン・競歩の会場として札幌が確定した場合には、地域住民・行政・運営者・ホテル旅館・リネン会社・清掃会社などとの連携が必要となります。

多くの方が心配されている客室が足りなかったという事態を避けるためにも、札幌市内民泊管理業の協力が必要です、各事業者が今までの蓄積してきた空き室を客室へ登用・運用するノウハウが試される、大いに発揮する場になります。