【第172回】宿泊税導入の是非は座して待たず『北海道民泊、訪れてよし住んでよし』北海道民泊観光協会 代表理事 南邦彦さん

住宅宿泊事業法(民泊新法)施行前、各地域では条例策定へ向けた審議会等が発足し議論がスタートしました。民泊ホストはその議論へ参加し意見を述べようと様々な角度からアプローチを試みましたが、違法である民泊事業がそのテーブルに着くことは難しく、行政担当者や民泊事業へ理解がある議会議員の方々と情報交換をしつつ条例策定過程を見守っていました。

その後、札幌においては民泊部屋数が法施行前と同等もしくは増加している状況にあります。さらにはホテルの建設・開業も増え多くの宿泊者を受け入られる環境が整いつつあります。札幌市内宿泊全体の民泊シェアは3.8%です。(札幌市民泊物件延べ宿泊者数349,186人・泊)このシェアが大きいのか小さいのか、どの程度ホテル旅館業へ影響を与えているのか?滞在・利用者へくつろげる、楽しめる場を提供できているのか?など、今後、さらなる調査が必要です。

札幌市では観光振興へ向けた新たな財源として宿泊税導入の検討が進んでいます。昨年末には専門家による検討会より札幌市長へ提言がありました。 住宅宿泊(民泊)事業者としては、多くの民泊事業者・プレーヤーが参入し稼働率を維持することが難しい中、更に宿泊税導入によって民泊事業者撤退の動きが加速するのではという声もあります。また宿泊税を導入し、それを財源として宿泊利用者を増やし、結果、宿泊税も増え、その財源を元にさらなる観光振興へと発展させる考え方もあります。

宿泊税導入へ向けたパブリックコメント募集などで意見を述べることも可能ですが、行政側からのアプローチを待つのではなく、事業者側から提案・対案を述べる場を設定することも可能です。 2年前と比べると適法化により民泊事業者が行政や議会議員の方とテーブルに着くことが容易になっています。

そこで「宿泊税導入の是非に関する意見交換会」(主催:SATO行政書士法人)を、2020年1月11日(土)10時~11時30分に、キャリアバンク㈱セミナールーム(北5西5sapporo55ビル5F)にて実施することとなりました。 宿泊税導入について不安は尽きませんが、不安は期待の裏返しとも言えます、民泊事業者も制度設計から参画し自らの考えを提案する場をつくっていきます。