【第173回】民泊清掃事業の協同化 『北海道民泊、訪れてよし住んでよし』北海道民泊観光協会 代表理事 南邦彦さん

12月民泊清掃事業者が集まり、協同化へ向け話し合いが持たれ、今から月に1度会合を持つこととなりました。きっかけは2月雪まつり、そして東京オリンピックのマラソンと競歩。札幌開催による宿泊繁忙期対策です。

宿泊施設増加に伴い清掃チームも歩調を合わせていく必要があります。更に宿泊単価は需要に応じて金額変動しますが、清掃費については変動が無い、もしくは少額(イベント時は20%増など)です。 札幌市内に多くの民泊施設があり、そして民泊清掃事業所が存在をしております。例えば民泊運営者が東京、物件管理(清掃を含む)が札幌というケースも少なくありません。地元民泊物件管理チームがあることでその地域の空き室・空き物件を民泊施設として運用する仕組みができつつあります。

札幌では民泊清掃事業へ多くの障がい者就労支援事業所が参画しております。障がい者就労支援事業所は、一般企業に雇用されることが困難な障がい者に対して就労に必要な知識や能力向上のため必要な訓練や支援事業を行っています。 民泊清掃へ携わる障がい者就労支援事業所は札幌市内約20ケ所あり、市内約2000施設ある運営を下支えする大きな存在です。

民泊清掃は清掃以外にも、消耗品の管理(アメニティや洗剤・トイレットペーパー・ティシュなど)、リネンの管理(タオルやシーツ)、設備(Wifi・冷暖房・照明器具・家電・家具・カトラリー・スリッパなど)、細かな作業の連続です。障がい者と言われるメンバーが清掃を通してそれぞれ得意分野を追求、広げています。 例えば、清掃が行き届いていても、Wifiやドライヤーが不調、トイレットペーパーが無かった、テーブルがぐらついている、シャワーを浴びようとしたらお湯がでないなど、不備があればゲストからのレビューへ影響があります。そのため清掃時には、室内用意されているすべてのモノを確認する必要があります。

効率を上げるには室内へ用意されている内容をある程度均一化する必要があります。その最たるものがリネン(シーツ・タオル)です、各運営会社、ホストごとにリネンを用意したものを洗濯し次回清掃時にセットする手法が一般的でしたが、清掃現場では各ホストのリネンを扱うため効率化が進まず、徐々にですがリネンサプライ(リース)への移行が進んでいます。リネンサプライによって運営会社(ホスト)は、リネンを用意する必要がなく初期費用が軽減できます。

清掃会社がリネンを提供します。 室内に用意されているモノを均一化し、清掃の内容や質、研修、備品や消耗品の購入などを共同運用することによって、依頼された業務をパスしあう、業務の平準化を目指しています。 例えば、平日または土日を休業としている事業所などが協力し清掃を担当。消耗品が統一されていることで他の事業所が担当している清掃現場へ入ったとしても業務をスムーズに遂行することが可能。複数の事業所が清掃時に民泊部屋をチェックすることで至らぬ点をフィードバックしつつ補う。などです。

どのようなにするとイベント時の清掃数をスムーズに運営することができるのか?様々なアイディアを実践しその内容を検証していく必要があります。次回の会合は1月9日実施することいたしました。