【第190回】リーマンショック再来か 『北海道民泊、訪れてよし住んでよし』北海道民泊観光協会 代表理事 南邦彦さん

11年前、私は人口約3700名の北北海道下川町におりました。日々、議会や委員会、審議会を傍聴しつつ、週3~4日は学童保育の指導員として勤務、収入は月数万円程度のため、町内飲食店でアルバイト、地域の方からは毛ガニやトマト・ネギなどを肥料袋いっぱいに頂き、さらに食材に困ると山菜を採りに山へ入りました、お金に困ると山で採取したカバノアナタケを乾燥させて販売をしたこともあります。
何もすることがない時間も多く、基本ネットサーフィンをしつつ「鉄鬼」というオンラインゲーム(自然破壊と資源枯渇による国家間紛争)で時間を過ごしていました。

ある日、町議会を傍聴していると、町長の行政報告の中で「リーマンショックにより第3セクターの温泉利用が減少・・・」とあり、心の中で海の向こうの話をもってきていると思っていました。しかし、北北海道の地にも日に日にリーマンショックの影響を感じるようになります。 札幌へ行くと失業率が高まり不景気をより実感することとなります。

そこで当時景気対策として国は失業者に対して基金訓練(職業訓練)制度を拡充、私は縁があって札幌の基金訓練校パソコン教室の事務局スタッフとして参画することとなりました。開校するとパソコンなどのスキルそして月10万円の給付金得るため、当時30名定員の教室へ失業された方が90名以上と応募殺到しました。 また、同時にシングルマザー支援、高等職業訓練促進給付金制度が拡充されます。シングルマザーの方が資格取得する際、国が返済不要の給付金支援制度です、就学期間の後半1/2期間月10.3万円(185.4万円)を全期間14.1万円(507万円)となります。さらに事業主はシングルマザーを雇用することで特定求職者雇用開発助成金として年90万円が支給されるなど、様々な制度が拡充されました。 「シングルマザー保育士へ」保育士資格取得支援を実施、求職者支援・子育て支援を抱き合わせた政策として一定の効果があったと思っています。 当時の私は1日10名以上の方と面談し様々な悩みを聞かせていただき、その方にあった支援制度を案内しました。

そこで理解したことは、個々が行政など窓口へ相談や申請へ行くことも必要ですが、それらをつなぐ中間的な組織があった方がより効果的であるということです。中間的な組織は同じ制度であっても他の地域や窓口がどのような対応であったか?様々な事例を情報として集約することができ、相談者に対して過去の前例をもとに説明(過去同じような方がおり、このような申請方法で制度利用)、案内することが可能です。 この度の新型コロナウイルスによる経済損失・ダメージを最小限とするため、国は様々な施策を行っており、北海道運輸局から住宅宿泊事業者向けに融資制度など情報提供もスタート。私たち事業者ができることは、各々が連携を図り制度利用の申請書類や応募方法を共有し、窓口相談を減らし制度が必要な事業者は必要な申請を行うことです。

今週開催される住宅宿泊事業者会合において融資制度申請事例を共有する準備を進めております。

北海道住宅宿泊管理事業者連絡協議会 情報交換会 (日時:令和2年3月11日水 11:00-12:00 情報交換会  12:00-12:30 昼食  場所:札幌第一ホテル)