【第206回】観光庁へコロナ支援策に関する要望書を提出『北海道民泊、訪れてよし住んでよし』北海道民泊観光協会 代表理事 南邦彦さん

民泊現場では新型コロナウイルスによる売上減少が続いております。その傾向は民泊清掃の売上で判断することが可能です。

私が関わっている北海道内民泊客室清掃事業所の売上は、11月約250万円、12月約300万円、1月約360万円、2月約320万円、3月約61万円と3月の売上が急激に減少しています。3月の売上と前3ヶ月平均と比較し約80%減。実感として1年以上は平時売上へ戻らないだろうと思いつつ、観光以外の業務受託を増やしています。

民泊事業者は住宅宿泊事業法(民泊新法)施行前から各方面へ様々な提言を行うなどし、国のビジョンや制度へ沿うカタチで事業を維持、拡大してきましたが、この状況下では1年以内に廃業するしかありません。

民泊現場の現況を政府へ要望を伝え、補正予算の経済対策へ盛り込むよう提言、自分たちの生活や仕事を維持しようと働きかけたいと思う反面、効果的な政策の具体案を提示することができずにおります。

大手の企業への支援は過去にいくつも事例がありますが、小規模な店舗、飲食店や宿泊業・イベント・芸術に関わる分野への支援を制度化するにはどうしたらよいのでしょうか。

個人的には制度の簡素化・効率化、縦割りの様々な仕組みを1本化したベーシックインカム(政府が国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされる額のマネーを無条件で定期的に支給)を望みつつも、それらを提案するにはさらに多くの仲間を増やし議論をする必要性を感じています。 現状としてAirbnbなどの宿泊仲介サイトを通して、小規模な事業者への支援を行うような施策が現実的です。

全国の民泊ホスト団体である一般社団法人民泊観光協会から観光庁 観光産業課へ要望書を提出いたしました。

<要望事項>
・ホテル、旅館のみならず、民泊も対象とする(簡易宿所、特区民泊、住宅宿泊事業などあらゆる宿泊の形体を含む)
・Airbnb などの民泊仲介大手や、Booking.com のような OTA (Online Travel Agent)を経由した宿泊予約についても支援策の対象とする
・国内旅行者、インバウンド旅行者ともに、宿泊施設に安心して宿泊するための衛生面における管理のガイドラインを国から提示する
・国内旅行者向け、インバウンド向け両方のプロモーション活動を、全国各地を対象に実施する
・特に、インバウンド旅行者については、リピーターへの日本再訪を促すことに特化したプロモーションの実施を行う
・世界的な情勢の変化を踏まえた新しい観光のありかたについての産学官連携した検討会議の設立、ならびに当会の参画