【第211回】新型コロナウイルス関連支援制度の難点『北海道民泊、訪れてよし住んでよし』北海道民泊観光協会 代表理事 南邦彦さん

私は、札幌市内求職者支援訓練校などの学校運営に携わっていたことがあり、1年間で300名以上の申請業務へ関わりました。 当時リーマンショック不況があり、求職者の方、一人ひとりの事情をヒアリングしその方にあった制度を案内、申請の手続き、生活保護の手続きや利用できない方にはどうしたらいいのか?例えば、今の生活のまま世帯分離をすることで受給が可能になるなどがあります。

生活に困っている方の中には相談窓口へコンタクトすることが難しい方や不得手な方もおります。そこでハローワークの玄関先でビラを配り声掛け、低所得者が居住する公営住宅などへ出向きポスティングや掲示板への掲示など行いました。

私は士業ではないので申請のお手伝いはボランティアです。 ボランティアの定義は様々ですが、主体的に、志をもって行う姿勢があれば、雇用されているケースよりも自分の能力を発揮することが可能です。 求職者支援訓練校の講師やカリキュラム作成などを担い委託費を頂き生活費としていました。結果的には申請者の方より私の方が困窮してしまったですが、公共政策を学んだ者として様々な事情の方にあったケースの申請をヘルプさせていただくことでより多くの学びや喜びがありました。

この度の新型コロナウイルス関連支援制度についても、やはり申請が必要です。民泊現場も4月末の支払いそして5月末の支払いがかなり厳しい状況になってきています。 このような状況の中、同じ事業環境であったとしても申請方法・記入方法によって支給される、されないなど様々な矛盾が発生することでしょう。

制度の簡素化・効率化、縦割りの様々な仕組みを1本化したベーシックインカム(政府が国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされる額のマネーを無条件で定期的に支給)が日本国内でも話題になることはありますが実現にはまだ時間がかかりそうです。

申請の場合、申請者と窓口、この間に入る中間組織がつくり活用することでよりスムーズに制度運用することが可能となります。例として国の制度をA市のBさんが申請をし受給。C市のDさん(Bさんと同じ環境)は受給ができなかった、中間組織がDさんのケースに対して調べ対応する、それらを他の申請者や申請窓口へ共有するなどです。

政治家へ強いカリスマ性やリーダーを求めることは限界があります。出来上がった制度や仕組みを理解し、業界内で協業し能動的に考え行動、仕組み化することが急務です。