【復刻・民泊革命(第1回)】熱い視線を浴びる民泊 Airbnbがもたらした変化 児山秀幸

 1年4ヶ月間、2016年1月11日号から2017年4月24日・5月1日号まで計64回にわたって不動産業界紙「週刊住宅」に連載された「民泊革命」。掲載用に編集前の元原稿を民泊大学ウェブサイトで復刻し、過去に取り上げた事実が現在どうなっているか、著者のコメントを合わせて掲載します。

民泊セミナー

 2015年12月某日、新宿のとあるマンションの一室に10人ほどが集まり、熱心に講師の説明を聞いていた。セミナーの内容は、民泊の経営法についてだった。参加者は皆、民泊を経営することで新たに収入を得ることを期待して、セミナーに参加した人ばかりだ。講師は、半年足らずの間に5件のマンションを運用し、1件につき月15万円前後の収入を得ることに成功したという。そのノウハウを得ようと、皆、真剣な表情だ。

 最近毎日のように、民泊についてメディアが報じているが、そもそも「民泊」とは何なのか。調べてみると、まだ明確な定義はないようだ。一般には、宿泊費を受け取って住宅の一室やあるいは空いている住宅に観光客など、不特定多数の人を泊めることと考えられている。

Airbnbから広がった民泊

 いわゆる民泊が急速に日本で広がったのは、2013年にAirbnbという民泊仲介サイトが日本語でのサービス提供を開始してからだ。民泊は、このAirbnbを抜きに語ることができない。

 Airbnb(エアビーアンドビー)は、2008年にサンフランシスコで2人の若者が自宅にエアベッドを置き、部屋を人に貸したことから始まった。B&B(Bed & Breakfast)というのは、英語圏における簡易宿泊サービスだが、エアベッドを使ったことから、最初サイトの名前は「AirBed & Breakfast」だった。

 それからわずか7年。Airbnbは、191カ国における200万物件を掲載し、6000万人のゲストが登録するサイトになった。2015年11月の時点で、企業価値が255億ドル(3兆600億円)あると評価されている。これは、パナソニックや日本のヤフーの時価総額を上回る(2015年12月24日現在)。

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