【復刻・民泊革命(第4回)】旅館業法、簡易宿所の要件緩和と戦略特区の関係は?

戦略特区の意義

それでは、大田区での戦略特区は何も意味がなかったのか。そういう意見もないことはない。

しかし、たとえ2ヶ月とは言っても、新しい制度設計で実践がスタートする意義は大きい。現在の「民泊サービス」のあり方に関する検討会では、実際に民泊を合法的に運営した経験がほとんどない。マンションや一軒家で民泊を実施しても、周辺の住民の不安や迷惑にならないよう、様々な試みが特区の制度には含まれている。それがすべてうまく行くとは限らないが、4月以降の「簡易宿所」要件緩和、さらに中期的な旅館業法改正、または新法の制定に向け、貴重な実験になると思われる。

(2016年1月27日に開催された大田区の第1回特区民泊説明会の模様)

<以上「週刊住宅」2016年2月1日号掲載分>

<筆者のコメント>
 2016年1月29日の大田区の特区民泊の申請受付開始を受け、2月1日号に掲載した民泊革命第4回。通常の報道が週刊住宅の本紙面で取り上げられることを見越し、分析記事を載せました。 規制を緩めたはずの特区民泊の方が、逆に要件緩和される簡易宿所よりも条件が厳しくなるという逆転現象がありました。6泊7日以上の縛りによって、特区民泊が使えない制度になることは想像できましたが、世の中としてはかなりの熱気を持って特区民泊は迎えられました。

<筆者プロフィール> 児山秀幸(こやま・ひでゆき) 合法民泊やホステル・ゲストハウスなど簡易宿所の立ち上げや運営支援を手掛ける株式会社TAROコーポレーション代表取締役。旅館業法における「簡易宿所」の営業許可を取得した「タローズハウス鎌倉小町」を運営。Facebookグループ「簡易宿所・民泊ビジネス研究会」の管理人。Airbnbや民泊新法、旅館業法、特区民泊、東南アジア民泊、医療インバウンドなどに関するセミナー・コンサルティングも。