【復刻・民泊革命(第7回)】東京の若手議員が特区申請予定の民泊施設を見学

 1年4ヶ月間、2016年1月11日号から2017年4月24日・5月1日号まで計64回にわたって不動産業界紙「週刊住宅」に連載された「民泊革命」。掲載用に編集前の元原稿を民泊大学ウェブサイトで復刻し、過去に取り上げた事実が現在どうなっているか、著者のコメントを合わせて掲載します。

現地を見ることで、イメージが変わる議員も

 2016年1月大田区の第1回特区民泊説明会の翌日、東京の若手区市議15人が、東京都大田区の特区民泊(正式名称・大田区国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業)の申請予定物件を見学した。

(若手議員団による視察)

 一行は、東京若手議員の会である。35歳以下で当選した45歳までの超党派の都内の区議会議員、市議会議員で構成される勉強会。先行事例の勉強を通じて幅広い知識を蓄積し、社会経験の少なさを補おうという趣旨とのことだ。

今回は、大田区議会の荻野議員が発案し、戦略特区の民泊について学んだ。最初は、大田区の会議室で区の担当者から、特区民泊の実施された背景、概要が説明され、質疑応答が行われた。その後、特区民泊申請予定の施設に移動し、運営をする高橋氏から説明があった。

 荻野議員によると「区議会議員、市議会議員と言っても、専門家ではないので、基本的には、報道や周囲の方からの情報を基に民泊に対するイメージを作っている。その意味で、民泊と言うとマンションの1室で行われて、騒音やゴミ問題を起こし、共用スペースを勝手に使っているというイメージを持つ議員もいたが、今回実態を見ることでそうでない物もあるということを実際に知ることができたのはよかった」と言う。

 一行が見学した民泊施設は、市街地を少し外れた場所にある一軒家であり、周囲は町中という感じではないとのこと。隣に総菜屋さんがあり、そこで安く惣菜を買って夕食等にしても良く、日本の下町での暮らしを体験できると言う。

現場を知り、様々な観点から見る

 荻野議員は、大田区議会の総務財政委員会に属しているので、大田区の特区民泊が条例として案が出てくる前後から、民泊問題に関わりだした。大田区で、民泊施設を運営しているグループと知り合い、そこで民泊に関する様々な実態を聞いたそうだ。

(大田区議会の荻野議員のインタビューの様子)

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