【復刻・民泊革命(第17回)】対テロ、感染症問題のキーは?

 1年4ヶ月間、2016年1月11日号から2017年4月24日・5月1日号まで計64回にわたって不動産業界紙「週刊住宅」に連載された「民泊革命」。掲載用に編集前の元原稿を民泊大学ウェブサイトで復刻し、過去に取り上げた事実が現在どうなっているか、著者のコメントを合わせて掲載します。 


実は、一番心配されている問題

 民泊については、色々な問題が指摘されている。近隣に対する騒音やゴミ出しの問題。まずは、これがクローズアップされた。だが、騒音やゴミ出しは、ルールを作ってしっかり管理を行えば、そこまで深刻な問題にはならない。

 もう1つは、テロや感染症の発生源になるのではないかという心配。確かに、こちらの問題は、一度事件が発生すれば、大きな問題になりうる。関係者もこの問題を重視する方が多いと感じる。

 ただ、ホテル・旅館を含む宿泊業界でどこまでテロや感染症対策をできるか、というのは、微妙である。不審な人がいたら、早目に警察や保健所に連絡をする、日頃から衛生対策を強化する程度で、一見して普通であれば何も対策をとれないのが現状で、水際でのチェック強化に頼らざるを得ない。

 とは言え、どこにどういう民泊施設があるかわからず、どこにどういう人が泊まっているか把握できない状態だと、テロや感染症対策としては、最低ラインがほど遠い状況だ。これをどう解決するか。

<次のページ> 規制に関する二つの考え方