1年4ヶ月間、2016年1月11日号から2017年4月24日・5月1日号まで計64回にわたって不動産業界紙「週刊住宅」に連載された「民泊革命」。掲載用に編集前の元原稿を民泊大学ウェブサイトで復刻し、過去に取り上げた事実が現在どうなっているか、著者のコメントを合わせて掲載します。
スマホで鍵を開ける意味
民泊を行う場合、鍵の受渡しが問題になる。ホテルなら、フロントにいる管理人が鍵を渡せばよい。しかし、ホスト不在型民泊の大部分は、管理人がいない。最初に民泊に興味を持った時、この鍵のことが気になった。
よくあるパターンは、ポスト等にキーボックスを置き、その暗証番号を教えて、鍵のやり取りをする方法だ。だが、この方法だと合鍵を作られると、その後自由に部屋に入れるようになる。昨年秋民泊物件を管理する不動産会社の方に訊くと、「旅行者はすぐ本国に帰ってしまうし、中に貴重品が置いてあるわけではないので、問題ない」という回答だった。
確かに、全国に3万件以上が稼働する中、宿泊客の持ち物が合鍵を使って不在時に盗まれたという話は聞かない。この稼働数の中で事件がない以上、私の心配は杞憂なのかもしれないが、やはり気になるところだ。
その問題を解決するのがスマートロックである。スマートロックのシステムでは、鍵権限を有するスマホ等の端末だけが鍵を開けられる。この仕組みを使えば、チェックインで初めて鍵を開けられるようにして、チェックアウト以降は鍵を開けられないようにできる。そうすれば、合鍵を作って後で部屋に入られるという心配はない。もちろん、キーボックスを誰かに開けられて、部屋に入られる心配もない。このスマートロックを最初に開発したのがAkerunの開発チームだ。