【復刻・民泊革命(第20回)】 規制改革実施計画が閣議決定

 1年4ヶ月間、2016年1月11日号から2017年4月24日・5月1日号まで計64回にわたって不動産業界紙「週刊住宅」に連載された「民泊革命」。掲載用に編集前の元原稿を民泊大学ウェブサイトで復刻し、過去に取り上げた事実が現在どうなっているか、著者のコメントを合わせて掲載します。 

日数制限に対する様々なアイデア

 6月2日「規制改革実施計画」が閣議決定された。計画の民泊に関する部分は、民泊サービスのあり方に関する検討会に報告されたものとほぼ同じ内容だが、「新法民泊」には年間180日以内の一定の日数制限を入れるというのが、一つのポイントになっている。
そのような規制がされた場合、新法民泊をどのように不動産の運用に取り入れるか。

①シェアハウス+新法民泊

 本紙前号でも報じられたが、民泊繁忙期(4~9月)に民泊、民泊閑散期(10~3月)にシェアハウスというコンビネーションでの運用アイデアが出されている。ただ、このアイデアは、建物全体を届け出て個室ごとに運用できるのか、あるいは個室ごとに届け出ることができるのかなど、未確定な問題が残る。施設提供者が一緒に居住する形態なら家主居住型の1類型とも考えられるが、その場合施設提供者の使用する部分が50%を越える必要があるという意見も検討会では出ていた。

②マンスリー賃貸+新法民泊

次に、年の半分をマンスリー賃貸として運用し、マンスリー賃貸で空きの出た時に新法民泊として運用するという方法が考えられる。この場合、マンスリー賃貸を家具付きの賃貸としておけば、ハード的にはそのまま通しで運用できるというアイデアだ。日本では家具付き賃貸住宅が一般的ではないため、どこまでニーズがあるかわからないが、新法民泊運用拡大の影響で供給が増えた場合、一人暮らしを始める時のイニシアルコストは安い、コーディネートが良い、家具の廃棄代がかからない等のメリットが見直される可能性はある。

③通常賃貸の空室期間を新法民泊運用

マンションを1棟保有するような、保有物件の数が多い不動産オーナーの方と話していると、ベースは賃貸なのだが、空室期間遊ばせておくのはもったいないので、民泊運用できないかという相談を受ける場合がある。新法民泊であれば、住宅のまま運用できるのでハードルも低い。民泊運用している物件に賃貸契約が決まった場合、そのまま家具付き賃貸とする方法も考えられる。

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