1年4ヶ月間、2016年1月11日号から2017年4月24日・5月1日号まで計64回にわたって不動産業界紙「週刊住宅」に連載された「民泊革命」。掲載用に編集前の元原稿を民泊大学ウェブサイトで復刻し、過去に取り上げた事実が現在どうなっているか、著者のコメントを合わせて掲載します。
6月20日に終了した民泊サービスのあり方に関する検討会。新法における民泊に関するコントロールは、民泊ホスト(住宅提供者)、管理者、仲介事業者の3点を通して行われる予定だ。今回は、この中で宅建業者について期待される「管理者」について、詳しく見てみよう。
管理者が必要な場合と登録条件
まず、新法の民泊は、家主居住型と家主不在型に分かれ、管理者が必要となるのは、家主不在型だ。家主は、住宅提供者を指し、所有者の場合もあるが、賃借人の場合もある。基本的には、住民票をその住宅に置いているかどうかで判断される。
ちなみに、家主が出張やバカンスで家を空ける場合も、家主不在型と判断され、その区別の基準(何日以上不在だと、家主不在型になるか等)はこれから決められる。
民泊を行う住宅については届出が必要だが、管理者については、単なる届出ではなく、登録が必要である。登録の際には、一定の要件を充たしているかどうかが判断され、宅建業、旅館業、旅行業の許可が必要になるのかどうかは、まだ確定していない。検討会の中で、特に資格を求める予定はないが、一定の業務を行う必要があるので、その業務を行う能力が必要という答弁があった。
管理者に対しては、行政庁による調査、業務を怠った時の業務停止命令、登録取消、罰則の適用などが認められる。諸外国では家主居住型が多いが、日本では家主不在型が多いので(7月7日現在Airbnb登録物件の約7割が丸貸しタイプ)、この管理者へのコントロールが、民泊管理の実効性を担保する核心になるかもしれない。