1年4ヶ月間、2016年1月11日号から2017年4月24日・5月1日号まで計64回にわたって不動産業界紙「週刊住宅」に連載された「民泊革命」。掲載用に編集前の元原稿を民泊大学ウェブサイトで復刻し、過去に取り上げた事実が現在どうなっているか、著者のコメントを合わせて掲載します。
7月に一度全国の民泊の稼働率についてお伝えしたが、ほぼ1ヶ月経ってハイシーズンに入り、先月に比べて平均稼働率は上昇している。例えば、全国は50%が59%に、東京は57%が65%に上昇した。今回は、Airbnbの各地の掲載件数、稼働率、売上などがどのように分布しているかを見てみたい。民泊のデータサイトAirlaboの7月21日~8月20日の数値をベースにした。
掲載件数のランキングは?
では、最初に物件数のランキングを見てみよう。これは、1位から順に東京、大阪、京都となり、この3強は、ここ1年ほど不動の順位だ。2014年末の段階では東京が5000件程度に対し、2位の大阪府が500件強と、東京がダントツで1位だったが、今では京都と合わせれば東京の数をしのぐほどに増えた。
関西の大阪・京都がこれだけ伸びたのは、いわゆる中国人団体旅行のゴールデンルートが東京で1泊、静岡あたりで1泊、京都、大阪で2~3泊して帰国するというコースになっており、京都、大阪の観光資源が評価されていることにも依ると思われる。
若干性質は異なるが、都道府県の人口ランキングと比較すると、人口ランキングが東京、神奈川、大阪、愛知、埼玉の順なのに比べ、人口13位の京都が3位、人口30位の沖縄が6位、人口16位の長野が8位に入るなど、大都市が強いとは言え、かなり順位に変動がある。
大都市近くのベッドタウンは人口が多いが、観光の魅力が落ちてしまうのは理解できないではない。
1 東京都 14,256件
2 大阪府 10,829件
3 京都府 4,148件
4 北海道 1,535件
5 福岡県 1,383件
6 沖縄県 1,288件
7 神奈川県 997件
8 長野県 568件
9 千葉県 567件
10 愛知県 483件