【第3回】民泊とハウスマニュアルの鉄則3 広島在住 民泊コンサルタント 播磨 恵さん

私が所用で福岡と大阪のAirbnb民泊施設に泊まった際にハウスマニュアルをホストさんから頂きました。そのマニュアルや部屋の掲示には近隣の有名観光地への行き方や営業時間などが英語や韓国語、中国語で語でかなり詳細に記述されておりました。

ですが残念ながら書いてないものがありました。

それは「最寄のスーパーマーケットの場所や地図、営業時間」です。

これは非常に困ります。とりあえずどこで食料品や買い忘れた歯ブラシや剃刀などを入手できるのかさっぱりわからないからです。

GoogleMapで検索窓に「スーパー」と打ち込んで探しても遠い場所のスーパーの場所を出してくるのでとてもじゃないけど使いモノになりません。

部屋にはキッチンがあるので、地元の美味しい食材を使って夕御飯でも作ろうかなということもできません。

コンビニでは生鮮食料品を購入できないし値段が比較的高い。しかも食べ物はある程度調理品やお弁当に限られます。

日本人の私ですらこのように感じるのですから、外国人はもっとストレスを感じると思います。

「食パン買ってトースターで焼いて牛乳暖めてハムエッグでも作るか・・・」という朝食すらできないのですから。

ベジタリアンやイスラム教徒のような自炊がデフォルトの人にとってはもっと困りますよね。

もっと言えば、これだけでは不十分です。

さらにゲストの立場に立って考えると必要なものは「ドラッグストアの場所や地図、営業時間」です。

旅先で体調を崩す人は非常に多い。自分も海外で体調を壊したことがあるのでわかりますけど、調子がよくない時にどこで風邪の薬や胃腸薬等を購入できるのかわからないのはゲストにとって不安感が増します。そこでちょっとした薬や更に日用品などが入手できるドラッグストアの情報はある意味必須とも言えます。

最近の日本のドラッグストアは野菜や果物を除けば食料品(卵や牛乳、肉の加工品、さらにはお酒まで(笑))や日用品も手に入るほとんどスーパーと変わらない店になっているものも多いので、スーパーの代わりとして情報提供してもいいぐらいです。

*ここでは「ドラッグストア」と書きましたが、この表現はアメリカ英語で「drug=麻薬」とイギリス英語では誤解される可能性があるのでPharmacy、Chemistという単語が無難です。

ですからドラッグストアの情報は絶対的に必要な情報です。

部屋から有名観光地の行き方をゲストが調べるのは簡単です。なぜなら「どこにあるか?」が事前に明快にわかっているから。ガイドブックやネットにはその有名観光地の行き方はいくらでも書かれてます。その観光地の近くの美味しいレストランやお土産店の口コミは掃いて捨てるほど旅行系サイトやツィッターに溢れかえってます。

しかし、部屋の近くのスーパーやドラッグストアについてはどうですか?
有名観光地みたいにどこにあるかが一般的ではありません。

ガイドブックにもネットにもかならずしも書いてあるわけではありません。

でしたら、部屋の周りの地理や環境を一番よく知ってらっしゃるホストの「あなた」がどこにあるか情報を提供してあげるのが最高の「おもてなし」です。

播磨 恵(はりま めぐむ)/翻訳・通訳、英語講師、民泊コンサルタント
広島県呉市生まれ。現在は広島市在住。原爆ドームや宮島を訪れる観光客が非常に多い広島にて、2014年12月、知り合いから依頼を受けて民泊の英文メッセージの予約管理やハウスマニュアルの作成。また無類の旅行好きで、サッカー観戦のため、国内や海外でもAirbnbを使って宿泊し、ゲストの立場にたった民泊ビジネスを心がけております。
現在2018年FIFAロシアワールドカップの観戦旅行を計画中。