【第8回】民泊は犯罪の温床になるのか『北海道民泊、訪れてよし住んでよし』 北海道民泊観光協会 代表理事 南邦彦さん


北海道の住宅宿泊事業(民泊新法)の実施の制限に関する条例(素案)では、ホスト不在型民泊の場合、小中学校の周辺100メートルのエリアでは祝日・土日・授業を行わない日以外の期間の民泊営業を禁止、ほかに住宅専用地域では土日・祝日および正月以外の期間(平日)の民泊を禁止しています。

これらは住民不安、生活環境への影響を配慮するためです。 過去、郊外カラオケボックス店の進出に対して生活環境の悪化につながると感じた住民により反対運動が起きた地域もありました、現在、カラオケボックス店の開店は地域の生活環境にさほど影響がないと感じる人が多いのではないでしょうか。

また、2002年日韓サッカーワールドカップ札幌会場では最も気の荒いフーリガンを抱えるといわれるイングランド対アルゼンチン戦では、フーリガンの大規模場な暴動が発生するのではと予測され、札幌は洋上刑務所を海上に停泊、外国人の手に合う超大型の手錠を準備、その様子が報道され札幌市民は街が破壊されるのでは?と心配をしたが、大きな混乱や問題はなかった。

民泊現場がテロ犯罪の温床になり、火炎瓶や爆弾をつくる、違法薬物の販売などに利用されるのではないかと住民不安があることも承知しております しかし民泊現場を知るものとして民泊は心の和むことの連続なのです。

1つ北海道では珍しく暑い日の出来事を紹介します。 北海道ではクーラーがなければ寝られない日が年に数日あります、民泊物件ではクーラーがない部屋も多くあり、さらに清掃は気温が上昇する10時~15時に行うことが多く、クーラーが無い部屋で汗だくになりながら清掃を行います。

ゲストがチェックアウトした部屋に入り、窓を開け、シーツを交換、掃除機をかけ、トイレバスルームの清掃、キッチンへ行くとテーブルの上に4リットルのペットボトルが4本と北海道限定焼酎「大自然」がおいてあります。

よく見ると1本は50ccくらいが減っており、ほか3本は手付かずです。 北海道限定焼酎「大自然」は羊蹄山の湧水でつくられた焼酎で4リットルで2000円程度、地元では約20年間販売されつづけているヒット商品ですが、外国人が購入するお土産としてはミスマッチですし、購入する量も多いです。

理解に苦しみながらも、8月の北海道は観光シーズンで次のチェックインに備えて急ぎ清掃することに専念し、焼酎「大自然」は忘れ物かも知れないので保管をすることにしました。

後日アウトしたゲストとのメッセージで理解できたのですが、「大自然」をミネラルウォーターと勘違いをしたそうです。 たしかにキャップはブルーですし、青字の商品名やラベルを見るとミネラルウォーターに見えなくもないです。

ゲストも水だと思って ごくッと飲んだ時には大変驚いたことでしょう。

南邦彦(みなみ・くにひこ) /一般社団法人北海道民泊観光協会 代表理事
元保育士養成施設教科専任教員。2014年より障がい者雇用でAirbnb民泊管理・民泊清掃事業をスタート。北大公共政策大学院卒。公共政策学士。