【復刻・民泊革命(第36回)】 代行会社を使った転貸型民泊は厳しい?

1年4ヶ月間、2016年1月11日号から2017年4月24日・5月1日号まで計64回にわたって不動産業界紙「週刊住宅」に連載された「民泊革命」。掲載用に編集前の元原稿を民泊大学ウェブサイトで復刻し、過去に取り上げた事実が現在どうなっているか、著者のコメントを合わせて掲載します。

 民泊の市況が悪いと複数の人から聞く一方、今でも時々民泊関連のコンサルなどが「民泊で圧倒的な利益率の不労所得を」という趣旨のセミナーを開いていることがある。

この実態に対して、ペンネーム・青山光司氏が「民泊を始めてわずか半年、もうすぐ私は300万円を失います。」という少し長いタイトルのkindle本を電子出版し、警鐘を鳴らす。

代行会社に勧められて民泊を始めた人の声を聞いてみた

 青山氏の電子書籍を読む前、不動産関係のミートアップでたまたま民泊を代行会社に勧められて始めた人2人に出会った。

 1人は3物件を運用しているが、そのうち1物件を参加したセミナーを主催する代行会社から紹介され、昨春運用をスタートしたと言う。供給が増えたせいか、単価も稼働率も下がり、今年に入ってからは赤字の月が増えたが、契約が2年縛りになっているので、簡単に解約できないとのことだった。その一方、自分で運用している物件に関しては、きちんと利益が出ていると言う。

 もう1人は、2物件を今年の春からスタートしているが、やはり収支がトントンか、わずかに利益が出る程度で、初期投資を回収するのが難しいとのことだった。やはり、不動産を借りて、運用を代行会社に任せるパターン。

 青山氏の著書でも、氏の運用する4物件の収支が書かれているが、トントンか、わずかに利益が出る程度が多いとのことであった。氏は、賃借した不動産を代行会社を使って民泊運用する、いわゆる「転貸・代行」パターンでは既に利益が出ない市場になっていると言う。

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